ヨガクラスに参加する際に、持ち物に「水分補給用のドリンク(常温水)」となっていることが多いですよね。

「飲み物ならなんでもいいでしょ」と考えている方が多いようですが、ヨガの練習中に「何を飲むか」はとても重要です。

ここではヨガクラスで「常温水」が推奨される理由について詳しく紹介。

ヨガの効果を高めるためにもぜひ常温水を飲むようにしてください。

運動中の水分補給はなんのため?

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

そもそもなぜ運動中に水分補給をする必要があるのでしょうか?

学生時代にスポ根的な運動部に参加していた人は、運動中に水分を補給するなんて信じられないと思う方もいるかもしれませんが、最近は運動中であっても適切な水分補給をすることが重要だと広く知られ、幼稚園や小学校でも体育の時間は自分の水筒を携帯するのが常識になっています。

しかも、真夏などの季節は問いません。

運動中に水分補給するのが必要な理由として熱中症対策はもちろん、持久力の維持や集中力の維持、筋肉疲労の予防などにも役立つからです。

運動中は汗をかくことによって体内の水分が失われやすくなります。

汗をかくほどではないゆるやかなヨガや気持ちがいい程度のウォーキングであっても、体内では知らないうちに水分が失われますので、発汗量に関係なく水分をこまめに補うことが大切なのです。

運動中に推奨される水分の種類と水分量

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

一般的に運動時に必要な水分量は「15分ごとにコップ1杯程度」とされています。

がぶ飲みすると空腹な胃や腸には強い刺激になり、お腹を下す原因にもなるからです。

いずれにせよ運動中でもこまめに休憩をとり、一口でもいいので水分を補うのが良いのです。

また、水分の種類については一般的に推奨されているのがスポーツドリンク。

スポーツドリンクなら、汗で失われる塩分を補えるからとされ、他にもビタミン類やアミノ酸などのドリンクを補給すれば、疲労回復や筋肉増強に効果があるとされます。

ただ、ヨガの世界ではあくまで推奨されるのは「常温水」です。

これにはきちんとした理由があります。

ヨガクラスで「常温水」が推奨される5つの理由

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

1.体を冷やさない

常温水とは大体15~22度くらいのお水です。

水道水でも市販のミネラルウォーターでもOKです。

常温水は体温より少し低い温度で、胃腸に負担を与えることがありません。

そのため、このことを理解しているヨガスタジオは常温水を販売したり、ウォーターサーバーを設置しているのです。

冷蔵庫から取り出す水では冷たすぎて、ヨガの練習でせっかく体の熱(アグニ)をあげているのに、それをそばから冷やしてしまいます。

ヨガでは体内で作られる熱を「アグニ」といい、アグニが消化吸収、体力、エネルギーといった生命力の根源を担っていると考えます。

ヨガのポーズを練習することは体の内側のアグニを高めることに役立ちますが、冷たい水分を摂ってしまうとせっかくのアグニのエネルギーを抑えてしまい効果が半減してしまいます。

ですから、必ず「常温」なのです。

2.消化されずに速やかに排出される

スポーツドリンクと違い、常温水にはそこまで複雑な栄養素が含まれていません。

例えば、水道水にはナトリウム・カルシウム・マグネシウム・ケイ素などのミネラル類が含まれますが、スポーツドリンクに含まれるタンパク質やビタミン、糖質などは含まれません。

含まれる栄養素の数が少ない分、摂取した常温水は速やかに体外に排出されます。

一方、スポーツドリンクなどには栄養素が含まれるので、一旦吸収され、その栄養素は血中に運ばれ、さらに細胞へと移行します。

つまり、常温水とスポーツドリンクでは体外に排出される時間が前者の方が圧倒的に短くスムーズ。

「消化」というプロセスがないということは、その分「体への負担が少ない」ということになります。

運動ですでにエネルギーを使っていますから、水分補給によって余計な負担をかけないようにするために、ヨガでは常温水を推奨しているのです。

3.血液の流れを邪魔しない

一つ前の話と似ていますが、栄養素が含まれる水分は胃や腸から血中に取り込まれるので、血液の質も変わります。

そもそも運動をするということはそれだけ血中には老廃物が流されるので、血液はいわゆるどろどろ状態。

運動中は一旦ドロドロになりますが、運動後、発汗や排泄によって、血液の流れが良くなり、血液がさらさら状態になります。

運動中のドロっとした血液に栄養を送り込むことは、血液をさらに重たくしてしまうことになりかねません。

つまり、血流の阻害要因になりえます。

常温の水を飲むことは、もっとも血液の流れを邪魔しない水分補給方法になるのです。

4.舌の感覚を研ぎ澄ます

常温水にはいろいろな種類があります。

それぞれに味も違いますし、体調によって味の感じ方が変わります。

ですから、硬水が好き、軟水が好き、という好みは当然あるでしょう。

ただし、どんなお水であっても「美味しくない」と感じる人は舌が濃い味で麻痺している可能性が高いのです。

お水を美味しいと感じる時は、舌に汚れがほとんどついておらず、唾液もしっかり分泌されていて、口腔内の環境が清潔に保たれていて、健康状態も良いときです。

ヨガの練習中に数回水分補給をすると思いますが、その度に味が変わることもあります。

舌先で何を感じるか、この感覚を研ぎ澄ますことは健康のバロメーターとして不可欠です。

5.ゆっくり飲むことができる

味がついているもの(特に甘いもの)はやっぱり、ごくごくと飲んでしまったり、美味しいからとついつい飲みすぎてしまうもの。

それに比べて常温水は「美味しい」と感じても飲みすぎることはありません。

適量でストップすることができます。

麦茶や緑茶なども水分補給に用いられますが、やはり美味しいと飲みすぎてしまいます。

運動中の水分補給は適量であるべきで、飲みすぎてしまうとお腹がぽちゃぽちゃしたり、運動パフォーマンスが落ちるので注意が必要です。