海外メディアでも報道。ファンからは「残念」一部「問題ない」

 『進撃の巨人』は、英語タイトル『Attack on Titan』として海外でも知られており、世界中での累計発行部数が1億部を超える人気のある作品です。アメリカ、タイ、マレーシア、台湾、UAE、オーストラリアの紀伊国屋書店では、英語版の最終巻の発行記念としてオリジナルデザインの会員カードを発行するなど、話題と人気が絶えません。

『進撃の巨人』に災難続く。「差別の象徴」グッズ化、悪用パロディをトランプ氏が支持
(画像=『女子SPA!』より引用)

Hajime Isayama『Attack on Titan Vol. 1 (English Edition) 』Kodansha Comics

 今回の腕章グッズ問題は、海外メディアでも「シーズン4のグッズが物議を醸して販売中止」と報道されました。海外ファンからは「こんなものを売るなんて残念すぎる」「販売中止してくれてよかった」「ショッキングでしかない」といった反応が大半でしたが、中には「腕章は長い歴史で見ると第二次世界大戦前からあったのだから、気にしすぎではないか」「コスプレ用として考えてしまえば問題ない」という意見も見られました。

アメリカ国会議員がヘイト動画として悪用

 このように、国内外問わず人々の注目の的となっている『進撃の巨人』。知名度の高さは、ついに政治問題にからむまでになりました。  事の発端は、アメリカの野党・共和党のポール・ゴサール下院議員が11月7日、ある動画をツイッターに投下したことでした。

『進撃の巨人』に災難続く。「差別の象徴」グッズ化、悪用パロディをトランプ氏が支持
(画像=『女子SPA!』より引用)

(画像:共和党ポール・ゴサール下院議員Twitterより)

 その動画は『進撃の巨人』の映像を改変したもので、タイトルが“移民の攻撃”に変更されたオープニングから始まるもの。キャラクターの顔部分には与党・民主党のバイデン大統領、そしてアレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員の顔写真がコラージュされており、自身に見立てたキャラクターがオカシオ=コルテス下院議員を殺害する描写を含むヘイト動画でした。アニメ映像の合間には移民を映した実際の動画が挟み込まれており、反移民を訴える内容です。  この動画は批判を受けすぐに削除されたものの、ゴサール氏は「国境政策に関する議論を喚起する狙いがあった」「映像が脅迫だという非難は受け入れられない。脅迫だと感じた人がいたため自主的に映像を削除した」と言及。ゴサール氏のデジタル戦略を担当するスタッフも「これはただのアニメ映像。ミーム文化をわかっていない。現実の問題をめぐって戦ってるだけだ」と批判を一蹴するなど強硬な態度にでました。