働き方や生き方が多様になる中、キャリア形成の重要性が増しています。一方どのようにキャリアを形成していけば良いのか悩んでいる女性も多いと思います。キャリア形成が重要な理由、キャリア形成で抑えるべきポイント、キャリア形成の方法などを解説します。
キャリア形成とはなんだろう?
人事系のセミナーや就職活動セミナーなどで最近よく聞く言葉「キャリア形成」。
そもそもキャリア形成とはいったい何なのでしょうか?
キャリアとは「職業・技能上の経験・経歴」と定義されます。
仕事や技術で自分が今まで積み上げてきたものということですね。
「キャリア」という言葉だけで使われるとき、多くの場合で「過去」に自分が何をしてきたかについて焦点があてられます。
一方「キャリア形成」の焦点は、「これから・未来に向かって」どのようにキャリアを作っていくかということです。
また「キャリア形成」という言葉には仕事や技術面だけではなく、どのように人生を歩んでいきたいかという人生設計も含まれています。
なぜなら仕事と人生というのは切り離せないものだからです。
つまりキャリア形成とは、「今までの自分のキャリアをもとに、これから自分がどのような技術・仕事の経験を積みどのような人生を生きていきたいのか」を作っていくことだと言えます。
キャリア形成を考えるべき理由
キャリア形成の重要性が言われている昨今ですが、なぜキャリア形成が大切なのでしょうか?
まずはキャリア形成を考えるべき理由を見ていきましょう。
終身雇用が常識ではなくなっているから
大学・高校を卒業し会社へ入社、毎年自動的に給料はあがり退職まで勤めることが普通......日本型雇用システムともよばれる終身雇用はすでに終わりを迎えつつあります。
トヨタ自動車の豊田章男社長も終身雇用制の限界を訴えていますし、実際に大手企業のLIXILや味の素も50代での早期退職を募るなど、私たち20代・30代が会社にずっと勤められる保障は全くありません。
私たちの親世代あるいは祖父母世代が享受していた「とりあえず会社にいれば安心」という状況では全くなくなっているということですね。
会社にずっと勤められる保障がなくなった今、自分のキャリア形成をしっかり考えてしっかり生き抜ける術を考えなくてはならないのです。
転職が当たり前になっているから
終身雇用が崩壊しつつある中、転職も当たり前になってきています。
会社にずっといても給料が上がらない、責任と労働時間ばかり増える、やりたいことができない......など、よりよい雇用環境を求めて転職する人が増えているのです。
転職する際に重要なのが「専門性」
新卒入社の場合、特にコレといった専門性がなくても「総合職」として入社することができますね。
ですが転職する際に求められるのは、即戦力となる「専門性」です。
より良い労働環境・条件を得るためにも、キャリア形成を考え専門性を磨くことが重要になっています。
AIによるビジネスの変化が加速しているから
最近のAIの進化は凄まじいものがありますね。
例えば翻訳。
ひと昔前まで自動翻訳なんて使えたものではありませんでしたが、最近は精度もあがり簡単なものはかなり正確に訳せるようになっています。
5年もたてば商業翻訳を中心に翻訳の仕事はかなり減ると言われています。
翻訳だけではなく多くの仕事がAIにとって変わると言われている中、これからもAIに奪われないスキルや仕事を得るために、キャリア形成を考える必要があるのです。
仕事をする年数が長くなっているから
60歳で定年退職、退職後は退職金と蓄えた貯金で悠々自適な生活......私たちの祖父母世代だったこんな老後の生活は、すでに現代では贅沢な暮らしといえるかもしれませんね。
2025年4月から定年が65歳に延長されることが決まっており、ひょっとしたらこの先もっと定年が延長される......なんてこともあるかもしれません。
昔に比べ、私たちの労働年数は伸びています。
寿命の伸びもあるので当然かもしれませんが、年金の支払い開始はどんどん遅くなり労働年数はこれからも長くなることが考えられます。
労働年数の長期化とともに、キャリア形成をしっかりと考え、より良く働ける環境を築いていくことがさらに重要になっているんですね。
働き方が多様化しているから
正社員という働き方が当たり前だったのは、もう昔の話です。
現在は契約社員、派遣社員などさまざまな雇用形態があります。
フリーランスという、組織に属さない働き方も最近ではよく聞きますね。
組織への属し方だけではなく、働くスタイルも多様化しています。
会社に出勤せずオンラインですべて完結する仕事も珍しくありません。
そういった環境の変化に対応していくためにも、自分のキャリアを積極的に築いていく姿勢が求められているのです。