デジタル給与にデメリットもある!
デジタル給与の欠点や、注意点は以下のようなことが考えられます。
・口座残高は100万円までの上限あり
・セキュリティや個人情報保護に関する懸念
・現時点では、資金移動業者の補償に対する共通の規定が存在しない
デジタル給与支払いの対象となる資金移動業者は、法規制により、ユーザーのアカウントにおける残高は100万円を上限としなければいけないと定められています。給与では毎月数十万円単位の入金が想定されることもあり、上限に達しやすいことに注意が必要です。
企業のデータや個人情報が集まりやすくなるため、セキュリティや個人情報の保護についても懸念が残っているとの指摘があります。また、資金移動業者が倒産した際の補償や不手際が起こった場合の払い戻しの共通の規定が、2022年現在では存在していないことにも注意が必要です。
私たちの生活への影響は?
世界的にキャッシュレス決済が主流となっていることなどを踏まえ、国はキャッシュレス決済を利用する人の増加を目指しています。
経済産業省のデータによると、2021年のキャッシュレス決済比率は32.5%(クレジットカード、デビットカード、電子マネー、コード決済の合計)でした。2011年は14.1%で、10年で2倍以上となっています。
キャッシュレス決済は、現金を持ち歩く必要がなくなったり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が懸念される中で他人と接触することなく決済できたりするメリットから、ここ数年で利用者が急増しました。日常的に利用している人にとっては、デジタル給与の導入で、頻繁なチャージが不要になり便利になるでしょう。
これまでキャッシュレス決済をあまり使っていなかったという人にとっても、デジタル給与の導入をきっかけに、利用してみる機会になるかもしれません。
ただし、セキュリティや個人情報の管理については注意が必要です。いずれにしても今後デジタル給与の制度を利用する場合は、メリットとデメリットをよく理解しておきましょう。
参考:2021年のキャッシュレス決済比率を算出しました (METI/経済産業省)
文・岡本一道
政治経済系ジャーナリスト。国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで多数の解説記事やコラムを執筆。
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