窃盗罪になるとどのような処罰になる?

窃盗罪になってしまった場合、どのような処罰が待ち受けているのでしょうか。

お店によっては警察を呼ばずに出入り禁止で許してくれるところもありますが、最近は厳しいお店が増えているので、警察を呼ぶケースが多くなっています。警察を呼んだ場合でも、過去に一度も万引きをしたことがなく反省の態度を示せば、起訴猶予といって罪にならない場合もあります。

しかし、万引きした商品点数が多かったり、過去に同じような万引きをしていたりすると、処罰される可能性が高くなります。

具体的には、最初は罰金20~50万円程度が多く、罰金刑を受けた後に再度万引きをしてしまった場合には裁判を受けて懲役刑になる場合が多いです。執行猶予中に再度万引きをしてしまうと確実に実刑、つまり“刑務所行き”となってしまいます。

「万引き程度で刑務所に行くことなんかない!」と軽く考える人もいるかもしれませんが、実際に万引きで刑務所に行った人の弁護を何件もしてきた弁護士が言うのですから、甘く考えるべきではありません。

本当に「うっかり持って帰ってしまった」場合はどうする?

本当にうっかり持って帰ってしまったのに逮捕されてしまったり、逮捕までいかなくても警察を呼ばれてしまったりした場合はどうすればよいでしょうか。

まずはその旨を警察に説明すべきでしょう。しかし、警察が信じてくれない場合もあります。その場合、弁護士に相談すべきです。弁護士に依頼すれば警察や検察との交渉や被害店舗との交渉などを全て引き受けてくれます。とくに身柄を拘束されてしまった場合は自分では何もできなくなってしまいますので、弁護士に依頼しましょう。

まとめ

セルフレジでの万引きを疑われないためには、会計の際にバーコードを読み込んだか確認し、レシートをもらっておくことが重要です。

うっかり持って帰ってしまった場合に万引きを疑われてしまったときは弁護士に相談すれば罪にならずに済むケースもあります。とはいえ、故意に持って帰ってしまった場合でも、弁護士に一度相談してみるのがよいでしょう。お店との示談により罪にならないケースもあります。

便利なセルフレジですが、トラブルも増えていますので、万引き犯と疑われないよう注意して買い物を楽しんでください。

文・幸谷泰造
弁護士。東京大学大学院情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻、成蹊大学法科大学院卒業。ソニー(株)の知的財産部で国内外の特許関連業務を担当。弁護士として特許訴訟や無効審判等の係争業務をはじめ、技術系企業の契約関連業務、知的財産デューディリジェンス、知的財産コンサルティングなど、知的財産やIT関連法務に数多く従事。

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