最近スーパーやコンビニなどでセルフレジを見る機会が多くなってきました。キャッシュレス決済の普及もあって利用されている方も多いと思います。

スーパーマーケット保有企業におけるセルフレジの設置率は2020年の段階で15.8%となっており、コロナ後は急速に増えています。一見便利なセルフレジですが、店員さんがいないとレジを通さないで持って帰っちゃう人もいるんじゃないの?うっかりレジを通さないで持って帰っちゃった場合はどうなるの?と考えたことがある人もいるのではないでしょうか?

実際、セルフレジの設置率が増えるに伴って万引きは増えていると言われています。自分でバーコードを読み込んで会計をするわけですから、中にはバーコードを読み取らずに会計をしたかのようにしてレジを通ってしまう人もいるわけです。

では、うっかりレジを通さずに商品を持って帰ってしまったらどうなるのでしょうか、現役弁護士の幸谷泰造さんが解説します。

うっかり持ち帰ったら犯罪?

万引きは窃盗罪と言いますが、うっかり持って帰ってしまった場合は、故意に持って帰ったわけではないので犯罪にならないのが原則です。

しかし、実際はうっかり持って帰ってしまった場合でも逮捕される可能性はあります。セルフレジの横に店員さんが見ている店舗だったり防犯カメラでセルフレジを監視している店舗だったりすると、レジを通さずにうっかり持って帰ってしまった場合でも、「故意に行った」と判断されれば窃盗罪になってしまう可能性もあります。

そのまま返さない場合は窃盗罪?返せば窃盗罪ではない?

セルフレジを通さないまま意図して商品を持ち帰ってしまった場合は窃盗罪になります。いったん窃盗罪になると、後で商品を返した場合でも窃盗罪になってしまいます。

万引きと疑われないためには、セルフレジの通し忘れがないか、その場で確認するようにしましょう。セルフレジの段階で気づいてお会計を済ませた場合、バッグに入れたり持ち帰ったりしていないので窃盗罪にはなりません。

故意にやったのに「うっかり持って帰ってしまった」とうそをついた場合どうなる?

うっかり持って帰ってしまった場合は窃盗罪にならないのなら、「うっかり持って帰ってしまった」とうそをつけば許してもらえるのではないか、と考える人もいるかもしれません。

もちろんお店によってはそれが通じる場合もあるでしょう。しかし、「うっかり持って帰ってしまった」と言い訳をしても逮捕されてしまったケースもあります。

防犯カメラに映っていた状況や商品の大きさなどから、うっかり持って帰ってしまったとは言い難いような状況の場合、うそをついても許してもらえず逮捕されてしまう場合もあります。