事実婚のメリット 名字を変える必要がない

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事実婚の最大のメリットは名字を変える必要がないことでしょう。

日本では婚姻届を出す場合に、夫婦でどちらかの名字(姓)を選択しなければなりません。ほとんどの夫婦が男性の名字を選択していますが、この制度が女性にとって負担になっています。

たとえば名字が変われば、運転免許証、パスポートなどの公的な証明書を変更しなければいけませんし、職場での呼称が変わることもあるでしょう。物理的にも精神的にもかなりの負担になります。

しかし事実婚の場合はそのような負担はありません。また「家」という制度に縛られることはありません。現代では希薄になってきたものの、いまだに結婚した女性を「○○家の嫁」という見方、呼び方をする人もいます。事実婚にはそのようなプレッシャーはありません。

さらに、事実婚を解消しても戸籍に離婚歴が記載されることはありません。一方で、事実婚でもある程度の公的サービス、社会保険などを受けることができるメリットもあります。

事実婚のデメリット 子どもの姓がどちらかになる、配偶者控除などがない

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一方最大のデメリットが生じるのは、子どもができた時です。

戸籍上の夫婦ではありませんから、2人の間に子どもができた場合、子どもは女性の戸籍に入ります。母親と子どもは名字が同じでも、父親とは違うことになります。父親と子どもとが法的な親子となるためには、“認知”しなければなりません。

また法的な夫婦ではありませんから、所得税の配偶者控除を受けることができなかったり、一方が亡くなった時の相続権がなかったりとデメリットは経済的な面にも及びます。

事実婚に対して偏見を持っている人も少なくありません。事実婚でいることに奇異の目を向けられることもあります。特に自分の親が理解してくれない場合、溝ができかねません。