いまの日本の生涯未婚率はどれくらいだと思われるでしょうか。
2015年の内閣府調査では、男性で23.4%、女性で14.1%。つまり男性は約4人に一人、女性も約7人に一人が生涯一度も結婚しない計算です。
一方で、婚姻届けを出さない「事実婚」を選択するカップルがいます。行政書士事務所を開業している筆者も以前、事実婚状態にあるという方から相談を受けたことがあります。
なぜ結婚を「入籍」というのか?法的な婚姻と事実婚の違いはただ一点のみ
一般的に“結婚”とは、法的な婚姻・法律婚のことです。法律婚では、夫と妻が婚姻届に必要事項を記入した上で押印し、住んでいる市区町村役場に提出。受理されると、新たに戸籍が作られ、2人が夫婦として記載されます。結婚することを「籍を入れる」というのは、「戸籍」に2人の名前が記載されるからです。
事実婚とは、外形的に夫婦ではありますが、法的な婚姻関係ではない状態です。普通の夫婦のように生計を同じにして、家事も分担し、財産も共有する状態ではあっても、婚姻届を出していない夫婦のことです。
法的な婚姻と事実婚との違いは、二人が婚姻届を出しているか否かの一点だけということになります。
内縁と事実婚の違いは?
事実婚と同じく婚姻届を出さないで夫婦同然の生活を送る状態を“内縁”と呼ぶ場合があります。男女が同居していますが、法的な夫婦関係ではないときに主に使われます。
たとえば、テレビや新聞などマスコミでは、婚姻届を出していないで夫婦同然の生活を送っている男性を「内縁の夫」という表現をしますが、決して「事実婚の夫」といういい方をしません。
事実婚と内縁は一般的に次のように区別されるようです。まず「事実婚」とは、外形的に夫婦の形を取っていますが、当事者の主体的、意図的な選択によって婚姻届を出していない状態。一方、婚姻届を出すことができない社会的要因がある場合を「内縁」というようです。ただ明確な線引きはないので、この両者を混同されているケースも見受けられます。