銀行に提示された住宅ローンの上限額をもとに、マイホームの予算を決める……一見、一般的なことのように思えますが、その前に考えたいことがあります。「借りられる金額」と「無理なく返済できる金額」は異なるため、上限額で住宅ローンを組むと後々苦労する可能性も……。今回は、住宅ローンを借りてマイホームの予算を決める際のポイントを解説します。

住宅ローンの上限額で、マイホームの予算を決めるのは危険?

マイホームの予算を決めるうえでカギとなるのが「どのくらい住宅ローンを借りられるか」ではないでしょうか。

しかし、実際に銀行から提示された住宅ローンの上限額を見て「この範囲内で家を建てればいいのか」と判断する前に考えるべきことがあります。

住宅ローンの上限額は、あくまで「借りられる金額」の上限です。当然ながら借りた以上、数十年に渡って返済する必要があります。

銀行は年収をもとに審査しますが、生活費は、家族構成や住んでいる地域、生活水準によって大きく変わってきます。住宅ローンの上限額はあくまで参考として頭に入れつつ、マイホームの予算は慎重に決める必要があるでしょう。

住宅ローンで「借りられる金額」とは?

住宅ローンの上限額は、何によって決まるのでしょうか?

お金を貸す側である銀行は「住宅ローンの借り主に十分な返済能力があるかどうか」を審査でチェックします。審査内容は公表されていませんが、一般的に、年収・職業・勤続年数・勤め先などが影響します。また、過去に税金や社会保険料の滞納があった場合や、クレジットカードの支払いの遅延があった場合、健康状態に問題がある場合などは、審査に通りにくくなる可能性があります。

銀行はさまざまな観点から、その人に「今後数十年、問題なく返済を続ける能力があるかどうか」を審査しているのです。

住宅ローンで「借りる金額」は無理なく返済できる金額に

ここまで、住宅ローンで「借りられる金額」が決まる仕組みを解説しましたが、これはあくまで上限額であって、めいっぱい借りなければならないというわけでもありません。

実際に住宅ローンで「借りる金額」は、無理なく返済できるかどうかという視点で決めることが大切です。

万一、返済が滞ってしまった場合、最初は督促状や催告書が届きます。それを無視していると、最終的には一括返済を求められ、自宅が競売にかけられることに。自宅を売却し、売却益をローン返済にあてても全額返済できなかった場合、残りのローンを返済し続けなければなりません。

住宅ローンというと、多くの人が借りていることから安心感を持つ人が多いですが、あくまで借り入れだということを理解しておく必要があります。返済リスクを踏まえ、十分なシミュレーションのもと、無理なく返済できる範囲で住宅ローンを組みましょう。