DV夫が相談会について来ることも…
――『女性による女性のための相談会』は、公園の出入り口を1カ所の女性専用にし、相談ブースのテントは外部から中が見えないように目隠し布を取り付けたとか。
松元「60人の実行委員は日本労働弁護団の弁護士、労働組合や市民団体の活動家、女性支援グループなど個人の集まりですが、これまで活動してきたなかで、女性が求める“安心安全な相談会”のあるべき形をずっと心のなかで温めていたように思います。活動の各現場でも女性は少数派なので、どうしても男性視点の設定になってしまうんですよね。今回は、『相談に来る女性のプライバシーを守り、意思を尊重する』ことを最優先し、公園の出入り口を一箇所に限定した上に、メディア取材も規制しました」
――なぜ、そこまでする必要があったのでしょう?
松元「相談者のなかにはDVから逃げている人もいます。手元やシルエットだけでも、写真や映像から個人が特定されると命の危険につながることもあるので、絶対に当事者を撮影しないように努めました。なかには、相談会について来るDV夫もいると聞きます。そんな状況では、女性は相談したいことでも相談できませんよね。今回も、男性と一緒に来た女性がいたので、DV夫かどうかは分かりませんでしたが、男性には出入り口の外で待ってもらいました」
相談に来た女性たちの事例
●70代女性 「家族からの暴力で家を出て、友人宅にいます。住むところを探しているけど、保証人がいない。緊急連絡先が身内でないとダメという条件がある。その2点の条件がネックとなり、住むところが見つかりません」
●50代女性 「夫の暴力で離婚したいです。母親に相談したら、『あなたが我慢した方がいい』と言われ、20年以上我慢してきました」 →離婚の具体的な法的な手続きについて案内。