関東と関西の境界線がどこにあるかは諸説あるようですが、東京を中心とした関東と、大阪を中心とした関西は、歴史や文化的背景、地理的な部分でさまざまな違いがあります。今回は、関東と関西でまったく異なる食べ物3つをご紹介します。

そもそも素材から違う!料理に使う「だし」の味

(写真=PIXTA)

一般的に関東は濃い味、関西は薄味と言われていますが、味の基本となる「だし」の素材にも違いがあるようです。例えば鰹節は、関東では「枯節(かれぶし)」、関西では「荒節(あらぶし)」が好まれます。枯節は荒節にカビ付けしたもので、上品な香りとまろやかな甘味があり、荒節は酸味のあるすっきりした香りが特徴です。

だし汁を、関東では「おつゆ」、関西では「おだし」と呼ぶことからも、だしに対する意味合いが違います。日清「どん兵衛」も東西でつゆの味を変えているのは有名ですね。

関東は「煮る」関西は「焼く」作り方が違う「すき焼き」

(写真=PIXTA)

次に「すき焼き」の違いを見てみましょう。もともと「牛鍋」がベースとなっている関東のすき焼きは、だしと醤油やみりん、酒、砂糖を混ぜて「割り下」を作り、そこに牛肉や野菜などの食材を加えて「煮る」のが一般的。

一方関西では、割り下は使わず熱した鍋に牛脂をしいて牛肉を「焼き」、砂糖、醤油、酒で味付けしてから野菜を加えて作ります。溶き卵につけて食べるのは東西共通のようです。

丸い形とクレープ状!見た目が違う「桜餅」

(写真=PIXTA)

桜の時期に出回る和菓子「桜餅」は、関東と関西で見た目がまったく違います。関東の桜餅は、小麦粉を楕円形のクレープ状に焼いた生地で餡をくるんだもの。桜の名所である東京・隅田川沿いにあったお寺で売られ始めたことから「長命寺」とも呼ばれます。

関西の桜餅は、もち米が原料の道明寺粉を蒸した生地で餡をくるんだ饅頭状で、生地のつぶつぶした食感が特徴です。大阪・道明寺で保存食として作られた道明寺粉を使っていることから「道明寺」とも呼ばれています。

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