◆メディアで「理想の夫」として発信された

「これまで皆さまに多様な生き方を呼びかけてきた僕なのに、実は僕自身は“夫”らしく生きていかないといけないと自分に対して強く思ってしまいました」

 2016年にpecoと結婚し、2018年7月に第1子を授かったryuchell。さまざまなメディアで自身の生き方を発信し続けるなかで、同時に「生きていくことさえ辛いと思ってしまう瞬間」もあるほど生きづらさを感じていたといいます。さらに、pecoについて「女性を好きになることは、僕の人生の中で、初めての事でした」と綴りました。一般的とされる「夫婦」としての形ではなく、「人生のパートナー」「かけがえのない息子の親」としての道を選んだのです。

 自分らしい生き方を発信し続けたryuchellを「夫の鑑」「夫としての行動に絶賛」などと讃えるメディアも多く見られました。たとえ一個人としての姿を発信したつもりでも、それがメディアでは「理想の夫」として発信される。理想の「男性」「夫」として「自分」が当てはめられたことが、生きづらさの引き金となったことがうかがえます。