2022年8月25日、タレントのryuchell(りゅうちぇる)とpeco(ぺこ)がそれぞれのインスタグラムで夫婦関係を解消し「人生のパートナーとして暮らしていく」ことを報告しました。翌日には2人の所属事務所が離婚を認めています。

 ryuchellは、自身のインスタグラムで「“本当の自分”と“本当の自分を隠すryuchell”との間に溝ができてしまいました」と告白。続けてpecoは、「戸籍上でも、夫婦ではなくても家族という枠にいられるよう、今最善の方法を見つけて進めようとしているところです」と状況を説明しました。

 近年、「多様性」という言葉をよく見聞きするようになりました。昔に比べると、さまざまな価値観・考え方・ライフスタイル・自己表現などが語られる機会は、確かに増えています。その一方で、「新しい形の家族」として歩む決断をした2人に対し「結婚したあとなのに無責任だ」「離婚する必要はない」など、批判の声も多く見受けられ、多様性が十分に浸透しているとは言い難い現状もあります。

 いまだに「男性・女性はこうあるべき」のような考えが根付いている社会で、ryuchellのような苦悩を抱える人は少なくないはずです。レズビアン当事者としてさまざまな性のあり方を発信する筆者が、ryuchellに近い経験や境遇をもつ当事者2人の意見を聞きながら、今回の報道について考えていきます。