5.ロールドオーツを選ぶ

オートミールの粘り気対策、5つ目は「ロールドオーツを選ぶ」こと。

ロールドオーツとは、オーツ麦を蒸して平たく伸ばして乾燥させたもの。

一方クイックオーツは、ロールドオーツを細かく砕いたものです。

違いは「砕いているかどうか」だけなのに食感は大きく異なるので、クイックオーツが苦手な方もロールドオーツなら食べられるケースがよくあります。

前述のとおり、ロールドオーツは加熱しても粘りが出にくい性質があるため「ドロッとしたオートミールが嫌い」という方こそ、試してみる価値があるでしょう。

ロールドオーツの特徴は次のとおり。

  • 粒感がしっかりしているので米化して食べるのに向いている
  • 低GI食品なので、ダイエットに向いている
  • クイックオーツより、ふやかすのに多少時間がかかる(電子レンジで2分程度)

ロールドオーツを米化した場合、水分量が少ないために強い粘りが出ますが、熱いうちにほぐしておけばほとんど気になりません。

まとめると、オートミールの粘り気対策として「ロールドオーツを選ぶ」のが向いているのは次のような方です。

  • クイックオーツのドロリとした食感が苦手な人
  • 歯ごたえのあるオートミールを食べてみたい人
  • ダイエットをしたい人
  • 米化してご飯の代用として食べたい人

さて、これらの方法を試してみていまいちピンとこなかった方や「クイックオーツが余っているのにロールドオーツを買う気になれない」という方のために、とっておきの方法をご紹介します。

6.お湯にさらす

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

オートミールの粘り気対策、6つ目は「お湯にさらす」こと。

これは上記の対策でダメだった人向けの方法で、やり方は次のとおりです。

【お湯にさらして粘り気を取る方法】
  1. お湯を沸かし、ボウルにザルをセットする
  2. ザルにオートミールを入れ、お湯を注ぐ
  3. 軽く混ぜて水を切る
  4. 完璧にしたい人は、何度か繰り返す

これは冷ご飯を使ってお茶漬けを作る場合、サラサラに仕上げるコツを応用したもの。

冷ご飯を流水で洗うとぬめりの原因であるデンプンが流れ落ちるので、ご飯がサラサラになります。

オートミールの場合はご飯より粘り気が強いため、お湯を使用してしっかりと洗い流しているのです。

この方法なら粘り気がすっきりと落ちてかなり食べやすくなりますよ。

ここで、お湯にさらす方法のメリットとデメリットを確認しておきましょう。

お湯にさらす方法のメリット
  • 粘り気がしっかり取れる
  • 粘り気の残し具合を自分好みに調整できる(湯の温度/さらす回数)
  • オートミールの香りが抑えられる
お湯にさらす方法のデメリット
  • 栄養分が減る

この章の冒頭で「これは上記の対策でダメだった人向けの方法」とお伝えしたのは、大切な栄養分をお湯で洗うことによって一部失ってしまうからです。

お湯でさらすことによって、流れ出てしまう可能性がある栄養素は次のとおり

  • でんぷん
  • 水溶性食物繊維
  • 水溶性ビタミン

せっかくの栄養素をみすみす捨ててしまうのはもったいないので、お湯にさらす回数はできるだけ少なくすることをおすすめします。

もし、完璧に粘りを取らなくても大丈夫な場合は、お湯でなく「水」にさらすのも1つの方法。

水ならお湯より栄養分の流出を抑えられるからです。

次の画像は水やお湯にさらした場合、どのくらい粘りが取り除けているかを比較したものです。

※湯(水)でさらしたオートミールとそのままのオートミールに、お湯を入れています。

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

上記の画像を見ると、お湯でさらしたオートミールは透明感があり、そのままのオートミールのお湯は濁っています。(水でさらしたオートミールはその中間くらいの濁り方)

水が濁るということは粘りがあると考えられるので、お湯にさらしたオートミールの粘りがきれいに取り除かれているのがお分かりいただけると思います。

食べてみると、やはりお湯でさらしたオートミールは粘りがなくサラリとした食感で、麦特有の香りも抑えられていました。

まとめると、オートミールの粘り気対策として「お湯にさらす」のが向いているのは次のような方です。

  • オートミールの粘りがどうしても許せない人
  • 徹底的に粘りを排除したい人
  • 栄養が減ってもかまわない人
  • オートミールの香りが苦手な人

この方法はかなり効果的なのですが「それでもダメだった」という方のために、最終手段をご紹介しましょう。

7.小麦粉の代用として使う

オートミールの粘り気対策、最後は 「小麦粉の代用として使う」こと。

何をしてもおいしいと思えない 最初の印象が悪すぎて、食べる気がしない そんな方はオートミールを粉にして小麦粉の代用として使いましょう。

やり方は、ハンドブレンダーやフードプロセッサー、ミルサーを使ってオートミールを粉状にしてしまいます。

面倒そうな気がしますが、やってみれば1分もかからずすぐにできてしまいます。

小麦粉の代用として幅広いメニューに使えてほとんど味にも影響がないため、オートミールが苦手な方にぴったりの方法です。

オートミール粉末のメニュー例は次のとおり。

  • パンケーキ
  • 蒸しパン
  • ピザの生地
  • クッキー
  • お好み焼き

この他にも、小麦粉を使用するメニューなら大抵代用できてしまいます。

オートミールは小麦粉に比べて栄養価が高いうえ、ダイエットにもおすすめの食品。

食べきれないオートミールは、ぜひ粉状にして使い切ってくださいね。

まとめると、オートミールの粘り気対策として「小麦粉の代用として使う」のが向いているのは次のような方です。

  • ハンドブレンダー・フードプロセッサー・ミルサーのいずれかを持っている
  • 「粉もの」が好きな人

ちなみに、オートミールは粉状になっているものも市販されているので、粉状が気に入った方はそちらを購入されてもよいでしょう。

以上、オートミールの粘り気対策として7つの方法をご紹介しました。

オートミールの粘りの原因

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

オートミールの粘りの原因はデンプンと水溶性食物繊維の2つです。

1.アミロペクチン

オートミールが粘る原因の1つは、アミロペクチンを含んでいるため。

デンプンはアミロースとアミロペクチンの2種類あるのですが、アミロペクチンを多く含んでいる食物ほど粘りが強い特徴があります。

その最たる例がもち米で、アミロペクチンがなんと100%。

お餅がよく伸びるのはアミロペクチンのせいだったのです。

オートミールのアミロペクチンはコシヒカリよりは少ないものの、一定量は含まれているためにどうしても加熱すると粘りが出てくるのです。

参考:日本食品保蔵科学会誌、大麦(もち種)とえん麦澱粉の構造と糊化特性

2.水溶性食物繊維

オートミールには水溶性食物繊維が豊富に含まれています。

水溶性食物繊維の特徴として「粘性」があるのですが、これがオートミールの粘りの原因になっています。

オートミールを食べると痩せやすいと言われているのは、実は水溶性食物繊維がたくさん含まれているから。

粘性の強い水溶性食物繊維のおかげで、ゆっくりと消化されて糖の吸収がゆるやかになり、ダイエット効果が期待できるのです。

よく「ネバネバしたものは体に良い」と言われますが、これも水溶性食物繊維が含まれているからなのです。

そう考えるとオートミールのネバネバを悪者扱いするのは、申し訳ないような気がしてきますよね。

参考:大塚製薬「食物繊維の分類と特性」

まとめ

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

今回はオートミールの粘り気対策として7つの方法をご紹介しました。

順に試してみて、あなたに合った方法を見つけてくださいね。

オートミールの粘り気の原因はデンプンと水溶性食物繊維。

デンプンはご飯にも含まれているので、おかゆにすればトロミがつくし、水溶性食物繊維は他の「ネバネバした食べ物」では大人気の栄養素です。

オートミールがもっと一般的な食材になったら、このネバネバも喜ばれる日がくるかもしれませんね。

提供・yoganess



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