ヨガのポーズの中でも上半身や頭部への効果が高いポーズの一つが「うさぎのポーズ(Sasankasasana)」。
ここでは、うさぎのポーズの驚きの効果や正しいやり方、ポーズに取り組む際の注意事項について詳しく解説していきます。
うさぎのポーズで得られる4つの効果
うさぎのポーズには主に以下の4つの効果が期待できます。
- うさぎのポーズ4つの効果
- 肩こり・首こり・肩甲骨周りのこりの解消
- 眼精疲労・脳疲労の解消
- ストレス解消効果
- 若返り効果
ただし、ポーズのやり方やポーズ中の意識の置き方によってその効果は変わってきます。
うさぎのポーズでどんな効果を得たいか、意識しながらポーズに取り組むようにしましょう。
また、体の堅い人や首にトラブルがある人、血圧に問題のある方などはポーズを軽減し、様子を見ながらポーズを行う必要があります。
効果別におすすめ!うさぎのポーズ正しいやり方
肩凝り・首凝り・肩甲骨周りの凝りを解消するうさぎのポーズ
- やり方
- 正座で座ったら太ももにお腹をくっつけて手はおでこの下で枕にし、まずはこの状態で数呼吸リラックスする(子どものポーズ)。
- おでこを床に預け両腕を後方に伸ばし、かかとか足首など、掴めるところを掴む。
- お尻を天井方向に持ち上げながら、頭部の体重をおでこから頭頂にずらしていく。
- 可能な範囲でお尻をぐっと天井方向に持ち上げることで腰から肩、首の辺りまでが伸びていく心地よさを味わい数呼吸キープ。
- ①のポーズまで静かに戻り、数呼吸してから、ポーズから出る。
こちらはうさぎのポーズの正しいやり方で、また基本となるやり方です。
まずは上記の基本がしっかりできるように練習してみてください。
このポーズをしてみると、お尻と頭(頭頂)が前後に引っ張り合うような力が働くので、腰から首までの背骨がぐっとストレッチされる心地よさが味わえます。
首の後ろ側や肩甲骨にもストレッチがかかるので、肩凝り・首凝り・肩甲骨周りの凝りに非常に効果的です。
このポーズに違和感や無理がなければ、両手をかかとから外し、お尻の上で手を組み、その手を天井方向に持ち上げると、さらに肩関節にストレッチと刺激が入り、肩凝り・首凝りの解消に効果が得られます。
眼精疲労・脳疲労を解消するうさぎのポーズ
上記に挙げた基本のうさぎのポーズができるようになったら、次に意識したいのが「百会」という頭頂にあるツボの刺激です。
頭頂をマットに押し付けているので、上記の状態でも頭頂に十分な刺激が入っていますが、もし余裕があるなら両手を頭の横に移動させ、頭頂でマットに丸を描くような小さな動きを入れてみましょう。
頭皮が心地よくマッサージされます。
痛い場合は、脳疲労やストレスが溜まっている可能性が高いです。
頭皮のマッサージはやりすぎると船酔いのような副作用が起こることもあるので、気持ちが良い場合も、痛い場合も、やりすぎず、数秒ほぐすだけで十分です。
うさぎのポーズができない人も、座った状態で百会のツボの中を指で揉みほぐすことで脳疲労や眼精疲労の解消効果が得られます。
ストレスを解消するうさぎのポーズ
ストレスは胸や頭に溜まりがちです。
うさぎのポーズをしているとき、アゴが鎖骨の方にぐっと寄りますが、これをヨガでは「ジャランダラバンダ」と言い、喉の奥にあるポイントが引き締められることになります。
ちょっと呼吸が苦しく感じるかもしれませんが、ジャランダラバンダをすることで、頭部へのエネルギー供給が調整され、頭部に過剰に溜まっているストレスは解消されやすくなります。
さらに会陰(ムーラバンダ)と丹田(ウディヤナバンダ)も引き締めてポーズをキープすることで、体内でエネルギーが循環し、それによって発生する熱(アグニ)で体内の不要なものやストレスを燃やしてくれるというメカニズムがあります。
また、頸椎(首の骨)がストレッチされることで、そのエリアにある新陳代謝をつかさどる甲状腺の機能も促進されます。
基本のうさぎのポーズから両手を組んで天井方向に持ち上げると、バンダの効果や甲状腺への刺激が高くなります。
少し専門的な話になってしまいましたが、難しく考えず、ポーズをしながら体内で頭のストレス、胸のストレスが呼吸とともに燃やされているイメージを持つと誰でもストレスがスッと抜けるような感覚が得られます。
若返り効果があるうさぎのポーズ
ヨガでは心臓より頭が下になるポーズを「逆転系のポーズ」と分類しますが、うさぎのポーズも逆転系ポーズに含まれます。
逆転系のポーズの効果には「血行を促進する・免疫力を高める・消化を促進する・ホルモン系や内分泌系を整える・気持ちをポジティブにする」といった共通の効果がありますが、いずれの効果も若返りに直結しています。
逆転系のポーズの代表といえば「ヘッドスタンド(頭立ちのポーズ)」ですが、このポーズができない人でも、うさぎのポーズで効果を代用することができるのです。
頭を心臓より下にする時間を持ち、頭に血液をたっぷり送ってあげることは、脳を若返らせ、脳を若返らせることは全身の機能を若返らせることに直結するのです。