今回は、「第165回 出版翻訳家デビューサポート企画レポート⑨ 」でご紹介した、ブラジル在住のTさんについてのレポートです。

Tさんは出版実績のある翻訳家の方にすでに一度企画書を見ていただいていたので、ご報告もかねて再度その方に見ていただくことをおすすめしていました。その際に熱意を示すためにも試訳を最低1章分は用意したうえで、お付き合いのある出版社をご紹介いただいては、とアドバイスしていたのです。

その後、Tさんは企画書をブラッシュアップし、第1章の試訳も用意し、翻訳家の方にご連絡をしてみたそうです。その方からさらにアドバイスをいただいて何度か手直しをした結果、その方が知り合いの編集者さんがいるA社に持ち込んでくださったのです。

A社はTさんの企画にぴったりだと思いますし、ここから出版できたら理想的なのではないでしょうか。まずはこの段階までこぎつけたTさんの努力に感心します。

何かをやりたいと思っても、それを行動に移す人は少ないものです。そして実際にそれを形にしていく人は、本当に一握りなんですよね……。おもしろそうと思って始めてみても、やってみて面倒だったり大変だったりすると、そこで投げ出してしまう人が大半なのではないでしょうか。

Tさんが今回お世話になった翻訳家の方も、きっと似たようなご相談を受けるケースはあったでしょう。だけど、アドバイスをきちんと反映してまたやってくるケースは少なかったのではないでしょうか。だからこそ、要求に応えたTさんのがんばりは光ったのでしょうし、ご自身の伝手を使って持ち込んでくださったのだと思います。