2020年12月31日、活動休止となった国民的人気グループ「嵐」。2018年11月から2019年12月にかけて開催された20周年ツアー「ARASHI Anniversary Tour 5 × 20」には、237万5000人もの観客を動員し、フィナーレまで日本中に感動を届けた。

嵐を20年間、見守り続けた堤幸彦「売れっ子になったからといって、僕らから遠ざかる人たちじゃない」
(画像=『女子SPA!』より引用)

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 2021年11月26日(金)から全国公開されている映画『ARASHI Anniversary Tour 5 × 20 FILM “Record of Memories”』は、20周年ツアーの終盤、2019年12月23日に東京ドームで行なわれた「シューティングライブ」の熱狂を捉えたライブ映画だ。  今回は、本作の監督で、嵐初主演映画『ピカ☆ンチ LIFE IS HARD だけど HAPPY』(2002)を手掛けた堤幸彦監督にインタビュー。20年来の嵐との信頼関係や125台ものカメラを配置し、ステージ上での嵐の輝きを余すところなく記録した「ライブ映画」の魅力を聞いた。

20年を経ても変わらない関係性

――『ピカ☆ンチ LIFE IS HARD だけど HAPPY』(2002)では、「嵐」初主演映画を手掛けています。今度はおよそ20年ぶりに「嵐」にとっては初のライブフィルムを撮り上げた気持ちはどうですか? 堤幸彦(以下、堤):『ピカ☆ンチ LIFE IS HARD だけど HAPPY』から時間が経った感覚があまりありません。理由はふたつあります。ひとつは、彼らが日常的にメディアの中で目の前にいること。もうひとつは、売れっ子になったからといって、最初にワイワイものを作ってた僕たちから遠ざかる人たちじゃないんですよね。  そこを肌感として知っているので、20年という時間の経過を感じません。『ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”』の打ち合せでいろんなドームに行きましたが、そのときもお互い一瞬で時間の差を超えました。 ――関係性はずっと変化しなかったんですね? 堤:そうですね、分かり易く言うと、業界の先輩後輩とか、昔僕がお世話したとかでもなく、親戚のおじさんみたいなニュアンスなんです(笑)。  今回も甥っ子たちがすごく頑張っているから、じゃあひと肌脱ぐかという。ただ、そこはプロですから、現在出来る技術的な最高峰を目指すことは彼らに報いることだろうなと思いました。

親戚目線で見た嵐メンバー5人の魅力

嵐を20年間、見守り続けた堤幸彦「売れっ子になったからといって、僕らから遠ざかる人たちじゃない」
(画像=『女子SPA!』より引用)

――親戚のおじさん目線で見たとき、メンバーそれぞれどんな魅力がありますか? 堤:これは編集しながらも、撮りながらもメンバー5人に対して強く思ったことがあります。まず、大野(智)君のキレのよさというのは相当稀有な才能だということです。グループのリーダーとしての役割とは別に、一人のアーティストの姿です。  二宮(和也)君は過去にご一緒した舞台やドラマでその魅力は知っていましたが、今回のツアーライブで気づいたのは、シャウトする力が改めて凄いことです。それから相葉(雅紀)君がね、何か本当にカッコいいんです。背が高くなって、改めて大人になって、ほんとに文字通りカッコいいなと実感しました。  櫻井(翔)君は、ニュースキャスターの面と、その真逆のラッパーという主張の強い両面を持っています。しかもピアノ演奏をあれだけの技術でもって弾けるのは、ほんとに現代的なアーティストなんだと思いました。そして松本(潤)君は、今回演出家としての姿が、長い準備期間中、強烈に印象的でした。彼の作ったものは、舞台の演出家の端くれでもある私からすると非常に羨ましい内容だったし、それを映像の面で切る取ることに参加出来て本当によかったなと思います。