自分の子供に無償の愛を注ぐことは珍しいことではありません。しかし、注ぎ過ぎによる過干渉は考えものです。今回は、いつまで経っても過干渉を受ける母親を目の当たりにして、自分の将来を悲観した女性のエピソードです。
祖父母に人生を支配される母
今回お話を聞いたのは、都内でアパレルメーカーに勤務する彩美さん(仮名・25歳)。実家は山梨県にあり、シングルマザーの母親(50代)は、現在祖父母と同居しています。祖父方は地元の名主で厳格な家系だそうで、母親は厳しく育てられたと彩美さんはよく聞かされていたようです。
「祖父母の母への愛情は尋常じゃなくて、近所でも“過保護”として有名でした。母の友人に会うと、毎回祖父母の過保護エピソードが話題に上がるほどです」と、苦笑いで話す彩美さん。
門限や服装、習い事、食事、これら全ては祖父母の考えに従っていた彩美さんの母親。21歳の時にお見合い結婚をして、翌年彩美さんが生まれましたがその後まもなくして離婚しました。原因は、結婚後も必要以上に干渉してくる祖父母に耐えかねた夫からの申し出だったそうで、その後は祖父母のもとで彩美さんも一緒に暮らしてきたそうです。
彩美さんにとっては普通の優しい祖父母
幸いなことに祖父母の彩美さんに対する束縛や監視は一切なかったようで、むしろ何でも言うことを聞いてくれる優しい祖父母といった感じだそうです。それでも彩美さんは、祖父母の母親を私物化するような扱いに嫌気がさし、大学入学と同時に上京しました。
「離れて暮らすようになって、母が以前より余計な心配をし出したのですが、私はここで言いなりになったら負けだと思って、それほど気には留めずに仕事に没頭していました」
そんな中リフレッシュ休暇を取得して1週間帰省することにしました。久々の帰郷だったこともあり、祖父母と母親は玄関でお出迎えしてくれ、その後は至れり尽くせりだったようです。
母親の彼氏と3人で食事へ
ある日、母親から食事に誘われた彩美さん。実は母親には最近好意を持つ男性がいるらしく、娘へのお披露目も兼ね食事に誘われたそう。待ち合わせ場所に現れた男性はとてもスマートな笑顔が優しそうな紳士で、この日は地元では珍しいフレンチレストランで和気あいあいとした時間を過ごしました。
ところが食後のデザートを楽しんでいると母親のスマホが頻繁に振動し始めたました。さっきまで和やかだった表情が暗くなり、会話を中断して返信している母親を見て大体予想がついた彩美さん。その場の雰囲気をやわらげるべく彩美さんは男性と会話を続けました。