【獣医師監修】ニュータードとインタクト
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

いま、自分とともに人生を歩んでいる動物たち。かけがえのない動物たち。彼らの寿命が自分の寿命よりはるかに短いということを考える時、いっしょに過ごせる時間は少しでも長い方がと考えるのはごく自然なことでしょう。ニュータードであることは繁殖能力を神様にお返しすることで、さらに幾年かの寿命を授けていただくことなのだと考えることができるのです。

卵巣・子宮・精巣・前立腺の病気、乳がん、会陰ヘルニアなどなど、ニュータードならならないですむ病気が山のようにあって、ニュータードは明らかにインタクトより寿命が長いのです。

でも、ニュータードは肥満になるんじゃないの?と心配される方もいます。発情のストレスがない分、太りやすくなることは確かです。けれども適切な食事量に調節することで十分にコントロールすることができます。もっと言えば、元から適切な食事量を与えていたのならば、決して太りません。与えすぎていたけれど、やせの大食いで太れなかった動物が、ストレスが減ることで太れるようになるだけのことなのです。

ホルモンのバランスがおかしくなってしまわない?と心配する方もおられるかもしれません。これは全くないわけではありませんが、人と比べると極めて少ないものです。

たとえば人間の女性が初潮を迎えてから更年期になるまでにはおよそ30~40年という期間があり、その間ずっと女性ホルモンにさらされることになります。閉経期に女性ホルモンレベルが落ちてくると、その変化に体がついてゆかずにいろいろな症状に悩まされることになるのです。

一方、動物たちはそこまでの長い期間、性ホルモンにさらされているわけではありませんし、理想的には、性成熟を向かえるまでに中性となってしまえば、ホルモンレベルの変化はほとんどなく、大きな問題はないということになるのはご理解いただけるものと思います。つまり、安全に麻酔がかけられる5~6ヶ月齢になれば、なるべく早期にニュータードにしてあげればホルモンの問題を意識する必要はないということなのです。

【獣医師監修】ニュータードとインタクト
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

ここまで読んでいただいて、どのようにお感じになられましたか?コンパニオン・アニマルがニュータードになることで、人も動物も大きな恩恵を受けることができるのです。

そのことで彼らの体に特別な問題が起きることはありません。 単に子供を作らせないための手術と思っていた不妊手術が、ほんとうは、とても大きな意味を持つ「中性化のための手術」なのです。

インタクトが自然でいちばんいいのだと考えておられた方も、そうでない方も、動物たちのそして自分たちの、真の幸福ということを、いまいちどじっくりと考えてみてはいかがでしょうか?


提供・犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)

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