いくつになっても子どものことが心配でたまらない母親は少なくありません。今回は、部屋を片付けられない社会人の娘を想うあまりに、その解決策を霊媒師に委ねとんでもない結末になってしまったエピソードを紹介します。
娘を見かねた母親のお節介
今回話を聞いたのは中堅建材メーカーに勤める友里さん(仮名・28歳)。会社から電車で30分ほどの都内で一人暮らしをしています。上司からも一目置かれるくらいバリバリ働く仕事人間である一方、家事が苦手。特に部屋の掃除や片付けは、選手権があれば絶対優勝できる自信があるほど“汚部屋”な状況だそう。
娘の性格を把握している母親は、過保護とわかりつつも時折訪れては掃除をしたり、掃除を促したりする始末。
「私がいけないのは重々承知しているんですが、母は広告などで情報を収集しては、役立ちそうな家事マイスターや自己啓発のセミナーなどを紹介したり、大量の整理整頓関連書籍やYouTube動画などをLINEで送り付けてきたりするんです…」
挙句の果てに「婚活パーティー行って早くお嫁にいったら?」という提案まで出てきたのだそう。
行き着いたのは“霊媒師”頼み
そんなある日、母親から今週末は実家に帰るよう連絡を受けた友里さん。詳細は教えてくれなかったものの、理由を聞くと「会わせたい人がいる」のだと言われたそうです。友里さんは友人との食事をキャンセルし渋々貴重な休日を返上して実家へ帰るとことにしました。
「実家にたどり着くと、独特なお香が鼻をついたのを覚えています。自分の実家なのに、緊張しながらリビングに入ると、そこには黒っぽいワンピースの知らない中年女性と母がいました。母が言うには、ワンピースの女性は最近実家の近所に越してきた霊媒師なんだということがわかりました」
友里さんが2人から軽く話を聞いてみると、どうやら娘のことで藁をもつかむ気持ちになっていた母親は迷わず相談に出向いたようでした。
怪しげな除霊が始まる
話も早々に切り上げると霊媒師はおおぬさを友里さんの頭の上で大きく振りながら呪文を唱え始めたそうです。
「娘さんには整理整頓をはばむ良くない霊がついているようです。今から除霊を行います」
ブツブツ言いながら10分ほど時間が過ぎて霊媒師はおもむろに、追加の呪文を唱えたそうです。
「除霊が終わったことを告げた霊媒師、今度は“透視”じみた口調で話し始めたんです。ただ、その“透視”の内容は、母親への事前ヒアリングで聞き出した基本的な私の情報でした」
そうとは知らない母親は、とても真剣な表情で霊媒師の話に耳を傾けていたそうです。