2022年で76歳を迎え、芸能生活はすでに60年を越える中尾ミエさん。歌手として、女優として、弾ける笑顔を振りまきながらエネルギッシュに活躍し続けています。
そんな中尾さんが7月21日、初のビジュアルムック本『人生もっともっと楽しまなくちゃ』(宝島社)を上梓しました。毎日をいきいきと生きる中尾さんの暮らしやファッション、肉体づくりなどなど……その様子や“想い”が、たくさんの写真と中尾さん自身の言葉で紹介されています。
同世代のシニアだけでなく、これからの人生に不安をかかえる若い世代へのメッセージも詰まっている本書から、中尾さんが「心と体、不調との付き合い方」について語ったインタビューを紹介します。(以下、『人生もっともっと楽しまなくちゃ』より本文を抜粋)
運動を始めて、若い頃よりも体力も筋力もつきました
現在は心身に不調を感じることは「ない」と言うミエさんですが、過去には体力の衰えを感じることもあったと言います。
「若い頃は無理がきくから体のことなんて考えなかったけれど、30代から40代の頃、体力が落ちてきてこのままではダメだと思ったんです。それで30代からジャズダンスを10年やって、その後はクラシックバレエを始めて。10年続けたら50代になって、今度はクラシックバレエがしんどくなってきたからタップダンスをやって。
タップは今でも続けているけれど、あとは水泳とかジムとか運動はいろいろやるようになりました。数年前から毎朝運動もしているから、昔より体力も筋力もついたんじゃないかしらね」
そんなミエさんでも、避けて通れなかったのは更年期。幸い大きな症状はなく、汗をかく程度で済んだそうですが、舞台に立つ仕事柄、発汗が増えるのはつらかったのではないでしょうか。
「更年期です」と言えばみんな理解してくれた
「更年期はみんなが通る道だから、汗をかくぐらいならば仕方ないわよね。でも、『更年期です』って言えばみんな納得してくれましたよ。
ステージでも汗だくになって、つけまつ毛もとれそうなくらいになっていたけれど、それでも『更年期だから』って言うとお客様は親近感を持ってくれましたね。だってみんなもそうだから。ハンカチを差し出してくれた人や、背中の汗をふいてくれた人までいましたよ」
更年期に限らず心身に不調を抱えているときは言わないで無理をするよりも、思い切って周囲の人に伝えたほうが自分自身も楽になれそうです。
「そうなのよ。つらいのを我慢するよりも、なんでも言って助けてもらえばいいのよ。人間って誰かの役に立ちたいわけじゃない。だから遠慮しなくていいのよ」