遺品整理・特殊清掃の実態
――漫画では、社長さんと二人三脚でお仕事されている場面が印象的でした。現場には2人で行くことが多いのでしょうか?
小島:基本的にグループが決まっていて、それぞれ分担して作業を行います。私は社長とペアを組んでやっているので、ほとんどの現場が一緒です。遺品整理、特殊清掃以外には、新人の教育なども担当しています。
――どのような作業の流れがあるのでしょうか?
小島:孤独死の現場では、私が先に入って消毒を撒き、ほかの従業員が入れるように、一番ニオイの強い体液のある部分をひと通り清掃します。私の場合は特殊清掃を先にやってしまうので、もう一人はその間に別の部屋で遺品整理を行うことがほとんどです。清掃が終わったら、遺品整理に回って一緒に作業を行います。
最終日はご遺族の方に供養の希望を聞き、必要に応じてお坊さんを呼びます。「まだ葬式をしていない」「次の人に部屋を貸しやすくしたい」など、さまざまな理由で供養を希望されていますね。
――遺品整理の会社が部屋の供養まで行うのは珍しいのではないでしょうか?
小島:そうですね。供養とは名ばかりで、椅子もないような状態でお経を読んで供養が完了してしまう業者も少なくないのが現状です。私たちの会社ではお葬式と同じように、お花や故人の写真を飾り、祭壇を設けて供養するので、その点でご遺族の方には喜んでいただいています。
――作業ではなく、ご遺族や故人に気持ち的に寄り添う感覚の方が強いのでしょうか?
小島:意識的に仕事をしていることは忘れないようにしているのですが、どちらかというと精神的な面で寄り添いたいという気持ちのほうが勝っているかもしれないですね。やはり、一人で亡くなって誰からも忘れられるのが一番つらいのかなと思っていて、孤独死した故人の最後に携わっている私たち遺品整理人だけでも覚えてあげたいという想いがあります。
<取材・文/Honoka Yamasaki>
Honoka Yamasaki
ライター、ダンサー、purple millennium運営。
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