ちゃんと働いてるのに貯金がない、稼ぎが増えない、なぜかお金が逃げていく……そう感じることはありませんか?
一方で、それほど能力に差はないのに、しっかりお金を手にしている人もいます。両者の違いはいったい何なの?
ライフコンサルタントの奥井まゆさんも、セミナー等の参加者からそうした質問を受けることがあるそうです。奥井さんの近著『決めるだけ。』の副題は「お金も恋も勝手にうまくいく、人生を変えるレッスン」。どうしたら、お金が勝手に寄ってくる人になれるのでしょうか?(以下、奥井さんの寄稿)
その出費は、投資ですか?浪費ですか?
皆さんは「投資」と「浪費」を区別していますか?
例えば、上等なワインを飲んだとしましょう。ワインをただ飲んで酔っ払う。これを「浪費」と捉えることは簡単です。でも、これが「投資」になる人もいるのです。
そのワインを飲んでいる場が仕事や出会いにつながるなら、それは「投資」です。また、ワインの勉強をしていて味を知るためとか、ワインを楽しんで人生が豊かになるなら、これも「投資」です。
一方で、ただ酔っぱらってグチって、あとで散財を後悔するようなら、これは「浪費」ですよね。
私の知人に、一晩で100万円くらいホストクラブでお金を使う経営者夫婦がいます。ハタから見ればこれは「浪費」でしょう。でも、彼らは自分たちの開くパーティにホストを呼んで、招待客へのおもてなしをしてもらうことがあるそうです。もちろん客は大喜びし、経営者の方も円滑にイベントが終了し、お互い様で終わるらしいのです。
つまり、普通の人にとっては浪費になりかねない「一晩100万」が、投資として彼らを支えているということでしょう。これは経営者として成功している秘訣でもあります。
要はお金の使い方が、自分の人生に必要なのかを見極めることができていれば「投資」。わけもわからず使っているなら「浪費」。そう言えるのではないでしょうか。
まずは、自分が使ったお金に対して、「投資」「浪費」のマークをつけてみることから始めてはいかがでしょう。
以前の私が「セミナー」で浪費していた理由
とはいえ、かくいう私も20代の頃は「投資」ではなく、「浪費」ばかりをしていたように思います。
仕事で認められたい気持ちと、現状とのギャップが凄すぎた結果、気が付くとお金を使ってしまうようになりました。当時は、本業の年収400万円に加えて、副業で200万円稼いでいたのに、借金がありましたからね。
ストレス発散という名目でやたら飲みに行ったり、服もユニクロとか安いものを大量に買い込んだり。
仕事でキャリア形成にモヤモヤしている時ほど、新しい講座やセミナーに通い始めてセミナージプシーのような状態にもなりました。これ、一見すると投資なんですけど、通う理由が「自分への欠乏感を埋める」ことにあるので、目的が完全にズレてしまっていたんです。こうなるともうホストクラブを渡り歩いて遊ぶのとあまり変わらないんですよ。
「浪費」とは、欠乏感から使ってしまうお金
ですから、「浪費」のもとは「欠乏感」なんだと私は思います。
自分の中にある不満や不安やストレスを、「浪費」することで埋めようとする代替行為。
今の私も、もちろん衝動買いをすることもありますが、「浪費」と感じることは全くありません。先日もディオールのバッグを買いましたが、何のために買ったのか、何の役に立つのかをハッキリと言えるのでムダな行為ではないと思うんです。
心理学では、動機の意味付けができることがとても重要だと言われています。動機が欠乏感からではないことが、「浪費」にならない最低限の条件なのです。今回のディオールだと、何ならSNS事業でのコンテンツ要素にもなるので、そういう意味では「投資」にも意味付けできます。