片足でまっすぐ立ち、バランスを取っている 「木のポーズ」。
ヨガスタジオのポスターなどでも使用されるほど、ヨガの代表的なポーズの一つです。
ここでは木のポーズのさまざまな効果や正しいポーズのやり方について詳しくご紹介しましょう。
ヨガの木のポーズとは?
ヨガの 「木のポーズ」は、ヨガの有名な古典『ランダ―・サンヒター』にも登場する代表的なアーサナとして知られています。
英語ではTree Pose(ツリー・ポーズ)、サンスクリット語では「ヴルクシャーサナ」と言い、片足立ちで一定の時間バランスを取り続けるのが特徴的なポーズ。
この「ヴルクシャ」は木を意味しており、「大地にそびえ立つ」ことを目的として創られたポーズです。
木のポーズで得られる効果4つ
バランス感覚を養う
木のポーズにおいて、もっとも嬉しい効果は「バランス感覚」を向上してくれることです。
バランス感覚とは「体」だけでなく「心」においても重要ですが、木のポーズでは心身両方のバランス感覚を養ってくれます。
まずは体の方ですが、私たちは日常生活でどうしても体が歪んでしまいます。
いつも同じ方向で脚を組んだり、カバンを持ったりする動作によっても歪みますし、右利き・右足が軸足という習性でも体は自然に歪みます。
そのため、年齢とともに体や顔に左右差が出てしまうのは仕方がないことなのです。
しかし、その歪みが過度になると、だんだん体のバランスが悪くなり、これがさまざまな不調の原因になることがあります。
例えば右腕だけ上げにくい、左脚の方が短いなどというバランスの悪さによって、頭痛や肩こり、膝痛が起こることもあるのです。
木のポーズはこのような左右差に気づかせてくれ、また改善に導いてくれます。
一方、心のバランスの悪さは「頑張りすぎ」「休みすぎ」「喋りすぎ」「喋らなさすぎ」といった生活態度に現れます。
木のポーズのようなバランスポーズの練習を続けると、自分が今「オンとオフ」のどちらに傾いているか客観視することができます。
それによって、心のバランスをニュートラル(中庸)に保つように意識できるようになってくるのです。
体幹を鍛える
木のポーズは片足で立つポーズですから、最初はグラグラしたり、転倒しそうになったりするかもしれません。
しかし、木のポーズを完成させて片足でじっと立っているより、実はなんとか片足で立とうとグラグラしている時が一番「体幹」を使っている時です。
ですので、簡単に木のポーズができてしまう人は、完璧な木のポーズを目指して練習を深めるか、もう少し上級のバランスポーズに挑戦した方が良いかもしれません。
とにかく、グラグラしている時に全身の筋肉が「どうしたら片足で立てるのか?」ともっとも筋力を作動してくれます。
特に、お腹の奥の力(体幹)を使うとバランスが取れるので、普段体幹の意識が薄い人でも、木のポーズを練習することで、無意識に体幹が鍛えられるのです。
しっかりと体幹を使って木のポーズが取れると、おそらく両足2分程度で汗ばむほどです。
美脚作りに効果的
片足で立つにはさまざまな要素が求められますが、特に重要なのが足指や足裏の使い方です。
例えば、靴の外側がすり減ってしまうタイプの方はO脚気味だとされますが、そもそも足裏や足指の使い方が歪んでいます。
正しく片足で立つには、足の裏だけでなく足指をしっかり使い、また土踏まずを活性させ、太腿の内側にある内転筋や骨盤底筋まで活性させなければなりません。
これらはすべて美脚のために必要な筋肉です。
ここを活性することは美脚作りに欠かせませんので、片足立ちが苦手な人ほど木のポーズに真剣に取り組むことで美脚効果が得られるはずです。
脳トレになる
そもそも、片足で立つというのは脳にとってびっくりするようなイレギュラーな動作です。
そのため片足で立つだけで脳内は騒がしくなり、活性化します。
高齢者の転倒やフレイル予防のために「フラミンゴ体操」といって片足立ちが推奨されますが、これも下半身や足の骨を刺激する効果だけでなく、脳への刺激を与えるのに効果的だからです。
他にも、下半身には体の大きな筋肉があるので、木のポーズで下半身を刺激することで代謝が上がる、片足で1分立つだけでウォーキングを50分程度したのと同じくらいの刺激を足の骨に与えられるなど、さまざまな効果が報告されています。