私事で恐縮ですが、我が家で飼っていたハムスターが先日一周忌を迎えました。キンクマハムスターで、それはそれは可愛い子でした。面倒を見ていたのは娘です。

幼少期に私はオランダに暮らしていたのですが、一人っ子だった私はきょうだいを切望していました。学校にいる間や放課後は友達と遊ぶことができます。でも帰宅すると遊び仲間はいません。当時はクラスメートの間でハムスターが大流行。そこで私もハムスターを飼うことにしたのです。私にとってのきょうだいとなりました。

そのようないきさつから、娘が「飼いたい」と言い出した時、私は好意的にとらえました。ただ、本人が真剣に面倒を見られるかという不安もありました。その当時、我が家は色々と難しい時期に直面していたからです。

それでも本人の真摯な思いを受け止め、お迎えすることとなりました。このハムスターを通じて私は娘の気持ちが少しずつ理解できるようになり、共通の話題もできて母娘の距離が縮まっていきました。我が家のハムスターは私にとって娘の心を知る上での「恩人」となったのです。

しかし、わずか1年強で容体が急変し、旅立ってしまいました。それはとても悲しいものでした。ペットロスという言葉は聞いていましたが、単に「飼っていた生き物が亡くなってしまった」ということにとどまらぬほど、深い悲しみを抱きました。

当時受けた強烈な淋しさは月日と共に薄れていきました。でも、今なお思い出すたびに「もう少し一緒に過ごしたかったなあ」という気持ちも湧きあがります。そのような感情と共に迎えた一周忌でした。