LGBTQに理解のある教員を増やしたい
LGBTQへの理解を深めるためには、学齢期に正しい知識を教えることが求められる。そのためには、教育を行う学校の教員への教育も必要だ。
「最近では、教員養成課程でLGBTQについて教える大学や専門学校や、教育委員会や学校での教職員研修は増えてきたものの、残念ながらまだ道半ばです。
ただ、2015年に文科省から全国の小中学校における性的マイノリティの子どもたちへの対応配慮を求める通達が出たり、教育委員会からもいろいろな資料が出されているため、LGBTQについての認知は少しずつ広まっています。
一方で、実際に相談された先生がどのように対応したらいいのかと悩むケースも少なくありません。適切な窓口に相談できたらいいのですが、どこと連携していいかわからないこともあります。そのため、意図せず子どもを傷つけてしまったり、アウティング(第三者にセクシュアリティを勝手に暴露すること)につながってしまうこともあります」
LGBTQを掲載する教科書の誕生
多くのLGBTQ当事者がいじめを経験したという現状を改善するためには、すべての子どもたちがLGBTQについて学ぶ機会を提供することが重要となる。その点、小中高の教科書の一部で、LGBTQの内容が盛り込まれるようになったことは大きな一歩だ。
「教科書会社の努力で、小学校では保健体育の半分以上、中学校では道徳の半分以上、高校では現代社会や家庭の教科書にLGBTQの内容が取り入れられています。
ReBitが発足した2009年では、活動の一つであるLGBTQに関する出張授業を100校連続で断られたこともありましたが、現在では一部の教科書に載ったことは、大きな時代の変化を感じています。教科書に書かれているということで、正しい情報にアクセスできる機会が増えます」
LGBTQの子どもたちだけでなく、すべての子どもたちがそれぞれの多様性をもって快適に過ごせる環境づくりが求められている。
男女共用セパレーツ水着の開発は、すべての子どもたちにとって選択肢が増えたという点では画期的とも捉えられる。今後、アップデートし続けることがより大事なのではないだろうか。
<取材・文/Honoka Yamasaki>
Honoka Yamasaki
ライター、ダンサー、purple millennium運営。
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