止まらない物価上昇で家計の見直しは必須。しかし、節約で生活水準を下げ、せせこましく生きるのはシンドイ……。そこで、節約しながら日々の生活を豊かにするコツを賢人たちが伝授!
今回は、家賃を抑えつつ理想の暮らしを叶えているエッセイストの小笠原洋子さんと、都心の家賃3万円台物件で快適に暮らす野口新さんに話を聞いた。
東京郊外のUR賃貸で安く豊かに暮らす
『おひとりさまのケチじょうず』(ビジネス社)の著者でエッセイストの小笠原洋子さんが1人暮らしの生活の場として選んだのは、東京郊外にあるUR賃貸住宅。
「部屋の間取りは3DKで、家賃は5万円未満。月の生活費は12万円ほどですね」
多摩地区の3DK相場は10万円弱なので、この家賃の安さは破格だ。また、都会と自然のバランスが良いという立地的な魅力もあるという。
「駅周辺は都会ですし、新宿まで電車で40分。その一方で緑が多く、都会と地方のいいとこ取りができます。行政の管理のもと共有部分は清掃が行き届いており、一軒家にはないメリットも多いですよ」
収納をなくして洗練された空間に
小笠原さんが暮らすのは、築40年ほどの物件だが、厳選された最小限の家具や雑貨でレイアウトされた部屋は、まったく生活くささがない。
「引っ越しのときに、思い切ってタンスや食器棚などの収納をなくしました。収納用家具がなければ、余分なものを購入することもありません。林に面しているダイニングもお気に入り。“絶景食堂”と称して緑の外界を眺めながら食事をするのが毎日の楽しみなんです」
郊外のUR住宅は、住環境と家賃、両方の面から見ても穴場といえそうだ。
都心で家賃3万円台が叶えられる物件とは?
一方、住むなら都会がいいという人も多い。それなら「風呂なし物件」という選択肢もある。「東京銭湯ふ動産」の運営をしている鹿島奈津子氏は、「近場に銭湯のある風呂なし物件は、意外にも若い世代から人気」と話す。
「弊社が紹介する風呂なし物件は、昭和40~50年代前半に造られた“築古”が多く、広さは4畳半のトイレ共用で家賃も3万円台前半。3万円台後半なら専用トイレとキッチンがついた1Kの部屋もあります。銭湯代を合わせても5万円台と、相場よりかなり安いです」