ヨガのポーズの中でも初心者からベテランにまで大人気のポーズの一つである「ガス抜きのポーズ」。

どんな方でも安全に、そして気持ちよく行えるポーズなので、毎日行っている人も多いポーズです。

ここではガス抜きのポーズの5つの効果や正しいやり方について詳しくご紹介しましょう。

ガス抜きのポーズとは?

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

ガス抜きのポーズはサンスクリット語で「パヴァナムクタアーサナ」と呼ばれます。

「パヴァナ」は「風」や「空気(ガス)」を、そして「ムクタ」は「解放」を意味するので、「ガス抜きのポーズ」と日本語訳されているポーズです。

日本語でガスというと「おなら」をイメージする人も多いため、このポーズをすると便秘が解消されるとか、おならが出たり、あるいはおならが出ないように事前にガスを排出させるためのポーズと理解されている方もいらっしゃいます。

もちろんそういった効果も期待できますが、どちらかというと「パヴァナ」は血液やリンパ、気やエネルギーの循環を意味しており「気の流れやエネルギーを解放させるポーズ」と理解した方がその効果を深く体感できるでしょう。

では具体的にどのような効果があるのか、順に解説していきます。

ガス抜きのポーズで得られる5つの効果

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

腸の刺激

まず挙げられるのは、ほとんどの皆さんが理解している「お腹や腸への刺激」です。

ポーズの形を見ていただくとわかるように、ガス抜きのポーズでは太腿でお腹を圧迫します。

この圧迫した状態で呼吸(できれば腹式呼吸)をしっかり行うと、呼吸で太腿とお腹が触れあいます。

ほど良いお腹への刺激によって腸が活性し、便秘の問題やガスの問題が解消されやすくなると考えられています。

内臓と自律神経系の活性

先ほどのメカニズムと少し似ていますが、お腹に優しい刺激を与えながら呼吸法を行うことは、自律神経系の副交感神経を優位にすることに効果的です。

そもそも腸は副交感神経が優位なときに活発に動きますが、副交感神経が優位な時とは、呼吸がゆっくりしていて、吐く息が長くなっている時です。

ポーズをとりながら息をゆっくり吐き、外側からそのような状況を作ってあげることによって、自律神経系が整うだけでなく副交感神経が優位になり、腸は内側と外側から刺激されるので腸内が活性すると考えられています。

腰痛の改善

ガス抜きのポーズに即効性を感じられるのは「腰痛」をお持ちの方です。

腰痛の方は腰が極端に反っているか、丸腰(猫背)になっているかのどちらかに分類できますが、どちらのタイプの人でも、ガス抜きのポーズを行うことで、パンパンに張っている腰回りの筋肉を緩めてあげることができます。

腰痛の方がヨガのポーズで腰痛解消を目指す場合、怪我のリスクを考慮する必要がありますが、ガス抜きのポーズであれば怪我のリスクがほとんどなく、安全に腰痛改善を目指すことができます。

腰痛がひどい方は1回で5分ほど両膝を胸に抱えて呼吸を行うようにアドバイスしますが、そうすると腰周りが軽くなったと感じる方がほとんどです

疲労回復&リラックス

腰痛だけでなく、背中全体の疲労回復にも効果的です。

特にポーズを行うとき、アゴを引いて頭をしっかりマットに、膝を抱える腕の力もできるだけ抜き、肩をリラックスさせて行いましょう。

ポーズをしながら目を閉じて呼吸を感じているうちに、自分の背中側の疲労がマットに流れ落ちるようなリラックスを感じることができて、思わず眠りに落ちたる人もいるほどです。

ふくらはぎや鼠蹊部への刺激

ガス抜きのポーズは、そもそもふくらはぎや膝関節や足の付け根(鼠蹊部)など、普段疲労が溜まりやすい部分、つまりエネルギーが滞りやすい部分も解放する効果のあるポーズです。

足がむくんでいるときには、抱き抱える膝の後ろにテニスボールや丸めたタオルを挟めば、ふくらはぎのむくみの解消に効果的ですし、お腹が胸につかない人もつく人も、足の付け根に丸めたタオルを挟んで膝を胸に寄せると、お腹は股関節への刺激がやや強くなり、疲労回復や詰まりの解消に効果的です。