国産のほかその大半はカリフォルニア産であるオレンジ。ビタミンが豊富な果物で果物の中では低カロリーでダイエットに向いていると言われるオレンジですが、食事制限されている方には、実際オレンジのカロリーや糖質は気になるところです。そこでオレンジのカロリーを調べました。

オレンジはダイエットに向いている?

オレンジはビタミンの宝庫と言われるほど、栄養成分に豊富なビタミンを含んでいる果物です。美容によい効果が期待でき、女性には嬉しい果物です。果物の中でも低カロリーと言われ、ダイエット中や食事制限している人にも安心して食べることができると言われますが、食べ方次第ではダイエットには逆効果の結果になってしまうこともあります。そこで今回はオレンジのカロリーや糖質について調べました。

オレンジのカロリー:オレンジ1個のカロリー

オレンジってみかんのことでしょ!という方もいらっしゃるかもしれませんが、オレンジとは果物の柑橘類の中の1つです。皮がオレンジ色をして外果皮を剥いて中の薄皮包まれたオレンジ色の果肉の房があるものをすべてみかんイコールオレンジと捉えている方もいらっしゃるかと思いますが、文部科学省の調査会報に基づく日本食品標準成分表の分類によると、柑橘類の中のにはいくつかの種類があり、「オレンジ」と分類されるものはネーブル、バレンシア、福原オレンジが「オレンジ」というカテゴリーに分類されています。

オレンジはミカン科ミカン属の柑橘類でネーブルやバレンシアはアメリカのカリフォルニアからの輸入物が多いです。ネーブルは国内の和歌山や静岡などでも生産されています。ネーブルとバレンシアを比べると、ネーブルは甘味と酸味のバランスがよくそのままフレッシュに食べることが好まれますが、バレンシアは酸味が強く感じられるオレンジで、果汁を絞ると味に安定があるので、よくジュースや果汁入りの飲料に使われれます。福原オレンジは日本で発見されたオレンジの品種です。

気になるオレンジのカロリーですが、今回は食品標準成分表(七訂)2015年度版に記載されているカロリーを参考に調べました。下記のカロリーは可食部(表面の厚い外果皮と果肉を包んでいる薄皮(じょうのう膜)を除いた)100g当たりのカロリーです。

<カロリー>
ネーブル…46kcal
バレンシア…39kcal
福原オレンジ…39kcal

ちなみにネーブルの外果皮を除いた1個重さは130g程度、バレンシアの外果皮を除いた1個重さは87g程度です。

オレンジのカロリー:オレンジの糖質

ではオレンジの糖質はどのくらいなのか次に見ていきましょう。糖質の計算は成分の炭水化物の量から食物繊維の総量を引いて割り出して計算します。この計算で糖質を割り出すとオレンジの糖質は下記のような分量が計算されます。この計算の数値は日本食品標準成分表2015年版に表示されているネーブル、バレンシア、福原オレンジの炭水化物の量から食物繊維の総量を引いた計算から割り出された糖質量です。表面の外果皮を除き、じょうのう膜を取り除いた可食部100g当たりの分量から計算しました。

<糖質>
ネーブル…10.8g
バレンシア…9g
福原オレンジ…9g

たとえば他の果物と比べてどのくらいカロリーや糖質が違うのか見てみると、

キウイフルーツ…カロリー53kcal、糖質11g
リンゴ(皮むき)…カロリー57kcal、糖質14.1g
ぶどう…カロリー59kcal、糖質15.2g
バナナ…カロリー86kcal、糖質21.4g

(食品表示成分表に基づいた上記果物の可食部100g当たりのカロリーと糖質です。)

オレンジのカロリー:温州ミカンのカロリーと糖質

柑橘類の中で一般的に食べるみかん。同じ柑橘類の中でもグレープフルーツはグレープフルーツというのに、一般に食べるみかんを「オレンジ」と勘違いしている方もいらっしゃるかもしれませんが、手で皮を剥き一般的に食べるみかんは温州みかんと呼ばれるものです。オレンジであるネーブルやバレンシアなどと比べると食べやすくつい何個も食べてしまいます。

そこで温州ミカンのカロリーと糖質も調べてみました。表面の皮を取り除き、じょうのう膜も取り除いた状態の果肉だけの状態のカロリーは100g当たり45g、糖質は11.2gです。これも食品標準成分表に基づいて計算された数字ですが、ネーブルと比べると温州ミカンは、小さくてもカロリーはさほど変わらないけれど、糖質が高く、ネーブルと温州みかんに含まれている栄養成分も違いがあります。たとえば柑橘類ならたくさん含まれていそうなビタミンCを見るとネーブルは60mgなのに対して温州ミカンは35mgしか含まれていません。あとで説明にも上げますが、オレンジはカロリーや糖質だけではなく、栄養成分もダイエットに効果的な成分が多く含まれているのです。

オレンジのカロリー:オレンジジュースのカロリー

オレンジ1個のカロリーや糖質はわかりましたが、オレンジをジュースにするとカロリーや糖質に違いが出るかというと、オレンジ1個を家庭で自分で絞った場合はもちろんオレンジのままのカロリーや糖質です。しかし、市販されているオレンジのストレートジュースや濃縮還元ジュースは食品成分表から見るとカロリーも糖質もオレンジ1個そのものを絞ったものと少し異なりました。

ストレート…カロリー42kcal、糖質10.6g
濃縮還元…カロリー42kcal、10.3g

この数値は文部科学省の調査事務局が学術的観点から出したバレンシアオレンジのストレートと濃縮還元の値です。オレンジ100%とうたった商品でもメーカーによってカロリーや糖質がこの数字ではない場合がありますので、市販のオレンジジュースのカロリーや糖質は商品表示で確認が必要です。

市販のオレンジ100%というジュースをよくみると、「ストレート」とか「濃縮還元」という言葉を目にします。果汁100%なのだから同じ意味?と思われますが、実はそうではありません。「ストレート」と表記されているジュースはオレンジを絞った果汁を低温殺菌してパックにして商品化したものです。そして「濃縮還元」と表記されているものは殺菌したあと絞った果汁から水分を一度抜いて製造元に送られ、商品化するときに濃縮してあるものに再び水分を加えてジュースにしたものです。

どうしてこんなに手間のかかることをするのかというと、果汁が美味しいバレンシアの多くは海外で実った果実を加工してジュースをとります。そのため水分を抜いて果汁の量を減らすことで、輸送コストを削減するため果汁を濃縮して輸送し、商品化するときに水を加えて還元するのです。100%果汁というオレンジジュースでも「濃縮還元」と表記されているものは還元するときに香りや風味がなくなっていることもあり香料や砂糖を加えてあるものもあるので100%果汁だからオレンジ1個のカロリーと同じと考えてダイエット食に加えると糖分を摂りすぎてしまうこともあるのでご注意ください。