南九州を代表する町・鹿児島。明治維新の英雄のひとり・西郷隆盛(さいごうたかもり)ゆかりのスポットをはじめ、桜島の絶景を楽しめるスポット、さらに名物・黒豚料理を味わえるお店まで見どころ満載!今回は2018年NHK大河ドラマ『西郷どん(せごどん)』の舞台にもなった、鹿児島市内観光の見どころをご紹介します。
『西郷どん』の舞台・鹿児島ってどんな町?
西郷隆盛をはじめ、大久保利通ら明治維新で活躍した多くの偉人を輩出した町・鹿児島。江戸時代末期、薩摩藩藩主・島津斉彬(しまづなりあきら)による日本の近代化の礎を築いたスポットから明治時代、西郷ら旧士族たちが起こした西南戦争の痕跡など、歴史散策を楽しめるスポットが数多くあります。
また、JR鹿児島中央駅周辺や、市内中心部にある繁華街「天文館」には、鹿児島の特産品・黒豚を使った料理や郷土料理、さらに地元で人気のスイーツ「白熊」が食べられるお店が集結。さらにホテルやお土産が買えるお店もあるので、観光やグルメ、ショッピングを十分に楽しめます。
鹿児島市内はどうやって散策するの?
鹿児島市内を散策するなら「市電」または「バス」を利用するのがおすすめ。市内を走る路面電車は、主に九州新幹線・鹿児島中央駅前から天文館を経由して鹿児島駅前まで向かう路線があり、鹿児島中央駅前から天文館までは約8分、鹿児島駅前までは約20分でアクセスできます。運賃は1回乗車で170円(税込)。日中は約7分間隔で運行しています。
また鹿児島市内の主要観光スポットを巡る周遊バス「カゴシマシティビュー」を利用するのもおすすめ。鹿児島中央駅前から天文館、城山展望台、仙巌園、鹿児島駅前を経由して鹿児島中央駅に戻るルートで1周約1時間20分でアクセスします。8時30分から30分間隔で運行しており、運賃は1回190円(税込)。1日19本走ります。
さらにお得な乗車券も販売しており、市電と「カゴシマシティビュー」を含めた市バスが1日乗り放題の「一日乗車券」をはじめ、鹿児島港と桜島港を結ぶ「桜島フェリー」や、桜島港から主要なスポットを周遊する「サクラジマアイランドビュー」も利用できる「共通利用券~CUTE(キュート)~」があります。
ただし、どの乗車券も西郷どんと篤姫のイラストが目印の「まち巡りバス」には乗車できないのでご注意を。
【鹿児島市交通局・1日乗車券、共通利用券・キュートに関する情報】
<電話番号>
099-298-5111(観光交流センター)
<料金>
【鹿児島市交通局・1日乗車券】おとな600円、こども300円
【キュート1日券】おとな1,200円、こども600円【キュート2日券】おとな1,800円、こども900円
<主な発売箇所>
鹿児島中央駅総合観光案内所、観光交流センター、天まちサロンなど
※詳細は公式HPでご確認ください
【その1】世界文化遺産のあるエリア「磯地区」周辺を散策しよう!
最初にご紹介するのは江戸時代末期、日本の近代化をリードした島津家第28代当主・島津斉彬が礎となる工場群「集成館」を築き上げた磯地区。2015年には「明治日本の産業革命遺産」のひとつとして世界文化遺産に登録されたスポットもあります。
島津家ゆかりの大名庭園「名勝 仙巌園」
江戸時代中期、島津家第19代当主・島津光久(しまづみつひさ)が構えた邸宅「仙巌園(せんがんえん)」。別名「磯庭園」とも呼ばれており、桜島を築山、錦江湾(きんこうわん)を池に見立てた約1万5,000坪の広大な大名庭園です。
江戸時代末期、日本の近代化を目指した第28代当主・島津斉彬が尽力した集成館事業の遺産など、島津家の歴史を伝える史跡が数多く残されており、2015年には「明治日本の産業革命遺産」のひとつとして世界文化遺産に登録されました。
オランダの書物を参考に造られた「反射炉跡」
園内には集成館事業の遺産が残されており、受付から少し歩いたところには世界文化遺産に登録された「反射炉跡」が残されています。大砲製造のために必要な鉄を溶かす炉の跡で斉彬がオランダの書物を参考に耐火レンガを製造しました。
見どころたっぷりの「御殿」
「御殿」は第29代当主・島津忠義(しまづただよし)が本邸として使用した邸宅。明治時代に改築され、内部を見学することができます。ロシア帝国のニコライ二世が立ち寄った際にもてなした「謁見の間」をはじめ、風水の「陰と陽」を表したといわれている「中庭」など、見どころがたくさんあります。
また「御殿」の居間や鶴灯篭の近くにある庭からは桜島の雄大な姿を楽しめます。天気が良ければ、くっきりとした山の姿を眺めることができ、記念撮影をしたい方にはおすすめです♪
ご利益を得られるパワースポットもあり!
さらに園内にはパワースポットもあり、中国から琉球を経由して取り寄せた「江南竹林(こうなんちくりん)」の近くにある「御庭神社(おにわじんじゃ)」では、開運や縁結び、家内安全などにご利益があると言われています、他にも、大願成就にご利益のある「猫神(ねこがみ)」といったパワースポットを参拝することもできます。
地元グルメも堪能できる!お土産処「薩摩のれん」
仙巌園には、食事をしたりお土産を買うことができるお店もあります。受付から御殿方面に歩くと見えてくるのが「薩摩のれん」。しっとりとした食感を楽しめる鹿児島銘菓「かるかん」や「さつまあげ」など、鹿児島を代表するお土産を買えるほか、スイーツを堪能することもできます。
鹿児島名物・さつまいもを使ったお菓子を販売する「馬場製菓」では、人気のきんつばを販売。種子島産の「安納芋」をはじめ、「黄金芋」や「紅隼人(べにはやと)」、「紫芋」の4種類のさつまいもを使ったきんつばがあり、その場で食べることもできます。しっとりとした食感とともに、濃厚な甘みを楽しめます。
アイスクリームのお店「ブルーシールアイス」では、桜島で栽培された「桜島小みかん」を使ったジュースを味わえます。甘さは濃厚ですが、すっきりとして飲みやすく、喉を潤したい方にはピッタリです。またさつまいもや芋焼酎を使ったアイスクリームも味わえます。
また「ぢゃんぼ屋」では、磯地区伝統のお菓子「両棒餅(ぢゃんぼもち)」を味わえます。焼き餅を2本の竹串で刺してたれを付けた一品で、武士が大小2本の刀を差している姿が「両棒差し」と言われていたことからこの名が付けられました。みたらし味とみそ味、2種類のお餅を楽しめるので、ぜひ試してみて。
かつての機械工場を利用した博物館「尚古集成館(旧集成館機械工場)」
仙巌園だけでなく、日本の近代化の痕跡を楽しめるスポットはまだまだあります!仙巌園のすぐそばにある「尚古(しょうこ)集成館(旧集成館機械工場)」では、島津家関連の資料のほか、「集成館」が操業していたころの様子を分かりやすく紹介しています。元々は幕末の機械工場として金属加工や蒸気機関の修理などのために使われていたスポットで、仙巌園と並んで世界文化遺産に登録されました。
薩摩切子の製造工程を間近で見られる「薩摩切子工場」
島津斉彬は近代化に関わる大砲や造船だけでなく、輸出品の開発にも力を入れていました。特に代表的なのが、鹿児島の伝統工芸品のひとつ「薩摩切子」で、鮮やかな色彩と繊細なカット、ぼかしが特徴的なカットグラスです。その製造過程を見学できるのが、「薩摩切子工場」です。
工場内では、ガラスの生地製造からカット、磨き、チェックまで職人の技を見学できます。ただし、休憩時間や工場の定休日は見学できないので、ご注意を。
また隣接するギャラリーショップ「磯工芸館」では薩摩切子のグラスや雑貨、アクセサリーを販売。藍色や黄色、赤色といったカラフルな冷酒グラス(1個税込25,920円~)やキュービックペンダント(税込14,040円~)などを取り扱っており、お土産はもちろん、大切な人へのプレゼントにおすすめです。
日本に現存する初期の洋風建築物「旧鹿児島紡績所技師館(異人館)」
仙巌園から少し歩いたところにある「旧鹿児島紡績所技師館(異人館)」。日本初の洋式紡績所「鹿児島紡績所」の操業指導で招いたイギリス人技師の宿舎として建てられた日本に現存する初期の洋風建築物で、世界文化遺産にも登録されました。
館内では技師が暮らしていた年代のアンティーク家具をはじめ、船の帆布を製造するために使用した木製の大幅機などが展示されています。また、2階からは桜島の景色も眺められるので、散策でひと休みしたい方もおすすめです。
古い建物をリノベーションした「スターバックスコーヒー」でひと休みしよう!
さらに磯地区には、世界的に有名なコーヒーチェーン「スターバックスコーヒー」もあります!磯工芸館の近くにある「鹿児島仙巌園店」は、国の登録有形文化財「旧芹ケ野(せりがの)島津家金山鉱業所」をリノベーションしたお店で、レトロな雰囲気の中でコーヒーやティー、スイーツを堪能できます。
1階には薩摩の歴史などを写真で紹介したコーナーがあるほか、2階席からは桜島を眺めながらコーヒーを楽しめます。