【獣医師監修】犬の後天性心臓病
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

 暑さも和らぎ過ごしやすい季節になりました。ワンちゃん達にも食欲の秋、運動の秋がやって来て益々活動的になる頃だと思います。 皆さんのお家のワンちゃんは元気に過ごしておられるでしょうか?もう夏バテでもないのになんだか元気が今一つだなぁと感じられることはありませんか?小さなサインを見落さないように、ここでは少し心臓の病気についてお話しようと思います。

【獣医師監修】犬の後天性心臓病
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)
【獣医師監修】犬の後天性心臓病
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

 心臓は片時も休む事なく全身に血液を送り続けるという大事な働きをしています。生きるために必要な栄養分や水分そして酸素を体の隅々まで届くように送り出すポンプの役割を担っているのです。皆さんもご自分の胸の中でドキドキと心臓が働いている様子を実感できるでしょう。このポンプに不具合が生じると、腎臓に、肝臓に、肺に、脳にと全身いたるところに悪影響が及びます。

 心臓の中は左心房、左心室、右心房、右心室という四つの部屋に別れています。左心房と右心房の間は心房中隔、左心室と右心室の間は心室中隔と呼ばれる壁で仕切られています。左心房と左心室の間には僧帽弁、右心房と右心室の間には三尖弁と呼ばれる弁がそれぞれあって、心房から心室へと血液の流れを一方向にするように働いています。(※図1参照)

 左心室からは大動脈という太い血管が伸びており、酸素をたくさん含んだきれいな血液を全身へと送り出す出口となっています。全身を巡って一働きした血液は酸素を消費して二酸化炭素を含み、大静脈を通って右心房へと返ってきます。右心房から右心室へ送られた汚れた血液は右心室から伸びる肺動脈を通って肺に送られ、肺で二酸化炭素を酸素と入れ替えてきれいにされ肺静脈を通って左心房へと戻って来ます。そして再び左心室へと送られ、全身に向かって送り出されるというサイクルを繰り返しているのです。