本作への思いを語るディワンダの目に涙が・・
Q. 本作はコロナウィルスの影響などで撮影が中断し、公開が1年遅れました。ついに公開となった今のお気持ちは?
ディワンダ:いい質問ですね・・・。映画を完成できたことに誇りを感じます。この映画を作るためにどれだけ皆が犠牲を払ったか、誰にも伝わらないと思います(涙をこらえる感じ)。道のりを考えただけでエモーショナルになってしまいます。
主演のクリス・プラットが今日ここに来られなかったのは、家族と過ごすためです。撮影中、彼には一人目の赤ちゃんが生まれましたが、この撮影期間中は隔離する必要があったため、娘の人生の最初の3か月間一緒にいることができなかったんです。
出来上がったこの作品を初めて見たとき、ブライス(・ダラス・ハワード)のところに行って「私たちどうやってこれ作ったんだっけ(笑)?」って言ったのを覚えています。すべての映画は奇跡ですが、この作品は特にそうだと思います。
Q. 監督のコリン・トレボロウに直接会ってケイラ役のオファーを受けたそうですが、ストーリーやケイラのキャラクターなど、どんな点に一番魅力を感じましたか?
ディワンダ:俳優として大切にしているものはたくさんあるけれど、簡単に言うならば“リアルな人間であること”ですね。なにかの象徴であったり、物語を進めるためだけのキャラクターには興味がない。ケイラには多くの英雄的シーンがあり、今回のキャラクターたちは生き残るためにケイラを必要としているんです。また弱さやはかなさを見せる場面もあります。あとケイラは面白いキャラですよね。アクション、コメディ、ハートの3つが決め手でした。
とあるメジャースタジオからのオファーを断っていた・・!?
Q. 脚本を読んだとき、涙があふれたと聞きました。その涙の意味は何だったのでしょうか?
ディワンダ:私は繊細な神経システムを持ってるのかもしれませんが、脚本を読んだときは本当に圧倒されてしまったんです。俳優の中には脚本を読まずに「はい、やります」っていう人もいるけど、信じられないですね。とあるメジャースタジオの映画に出そうになったんですが、「まず契約をしてから、脚本を渡す」と言われて。その時は「クレイジーじゃん!だめだよ。そんなことしない」って感じで、結果出演しませんでした(笑)。
そういうことがあったので、今回脚本をちゃんと読めてかなり信頼できました。私にとってその映画が大作かどうかは関係ない。せっかく“砂場”に来たのに、そこに入って遊ばず、そばに立ってみているなんていうことは興味がないんです。
脚本を読んだ時点でケイラは愛をこめて書かれていて、もう彼女はそこにいた。私も貢献したけれど、どちらかというと私の方がケイラというキャラクターにインスパイアされて演じたという感じでした。
Q. ケイラはとてもカッコいい役で「私もこういう人になりたい!」と思いました。
ディワンダ:私も(笑)!
―ディワンダさんはケイラに似ていると思いますか?
ディワンダ:私が演じるキャラクターが私の要素をある程度反映することは避けられないですね。今回ケイラはいろんな人を助けたんですが、それはもともと台本になかった。トレボロウ監督に「え、何してるの?」って言われたことがあって。その時私は「コリン、世の中には困った人を助ける人と、見てみないふりをする人がいる。私は前者なんです」って言ったんです。飛行機は飛ばせないけど、そういう要素がケイラと私は似ていると思います。
労働階級出身、努力した過去
Q. ディワンダさんがなぜ女優の道を選んだのかなど、プロフィール的なところをお聞かせください。
ディワンダ:15歳で高校生の時に演劇クラスを取ったのがきっかけでした。最初から“ここが自分を表現する場所だ”ってすぐにわかりましたね。読書も好きだし、常に頭の中で何かになりきるようなクセもあったっていうのもあって、「え、これをやってお金もらえるの?あら、これが仕事になるの?」っていう感じでした(笑)。
アーティストとして生計を立てられるなんて、統計的に本当にレアなことだと自分でわかっているし、今でも衝撃を受けてるし、感謝しています。
―ニューヨーク大学を首席で卒業されていますよね。当時は楽しかったですか?それとも大変でしたか?
ディワンダ:私はメリーランド州の労働階級出身なんです。周りの子は何かあっても戻れる安全網があったけど、私にはなかった。女優になるにあたってのリスクは他の人より高かった。俳優の家系でもないし・・・。あ、でもブライスとローラ(・ダーン)は家族が有名人だけど、彼女たちもめちゃ努力したんですけどね(笑)。家系はあまり関係ないかもしれないですね。でもこのバックグラウンドがあったから、「私は人より良くなくちゃ」っていうマインドが常にありました。
大学は演技専門で、演劇や他のこともやり、委員会の会長もやったり、とにかくいそがしくしていました。中学校、高校のときもそうでした。
でもそのマインドが普通になっていて、今思うと得るものがたくさんあって楽しかったです。30代になって初めて「もしかして、こんなに忙しくしなくてもいいんじゃ!?」って気づいたんです(笑)。30過ぎて初めて、バケーションでリラックスできるような人になったんです。
Q. 日本でも『ジュラシック・ワールド』シリーズは大人気です。映画を見た人、見る人にメッセージをお願いします!
ディワンダ:この映画は絶対気に入ると思います(笑)!早く見てほしいとわくわくしています!
(インタビュー終わり)