人の妊娠までネタにするなんてありえない!
その後、お腹の赤ちゃんは順調に育ってくれて、いわゆる安定期に入ります。
“そろそろ話してもいいかな”と思った笠木さんは、仲良しの女友達とランチに出かけたとき、「実は妊娠したの。今のところ順調だよ」とみんなに打ち明けました。
ところが、それを聞いた友人たちは何となく気まずそうに顔を見合わせたそうです。
「あ、本当だったんだね。実は○○さんからあなたが妊娠したって聞いていたのだけど、嘘だったら失礼だからと思って言わなかったの」
他人の妊娠を言いふらす知人彼女たちからほっとしたように返されて、笠木さんは「心底ショックだった」といいます。
「友達は私が流産を経験していることを知っているので、うかつに触れられなかったと思います。でも、私ひとりだけ何も知らず、周りは気を使いながらずっと接してくれていたわけで、そう思ったら本当に悲しくて」
友人たちは、妊娠が確定したとわかり「おめでとう!」と口々にお祝いしてくれたけど、
「○○さん、人の妊娠までネタにするなんてちょっとありえないよね」
と「スピーカー」のあだ名を持つ女性の非常識ぶりを改めて非難していました。
収まらない怒りを本人にぶつけたら、まさかの反応が
「私は『誰にも言わないでほしい』ときちんとお願いしていたのに、一方的に破るなんてひどいじゃないですか。 妊娠って本当に繊細な話で、私みたいにつらい思いをした人もいるのに、ぺらぺらと言いふらすなんて……」
笠木さんは、今も「そのときのことを思い出すと腹が立って仕方ない」と口にします。
友人たちから自分の妊娠を勝手にばらされていたことを知った笠木さんは、怒りが収まらずに女性に電話をかけます。
「どうして約束を破ったの!?」
と開口一番に問い詰める笠木さんに向かって、
「え、何のこと? 妊娠? だって、いずれわかることじゃない」
と女性も言い返しました。
この言葉にさらにカチンときた笠木さんは、
「順調に育ってくれたからいいけれど、これでもし流産していたら、みんなにもそれが知られてしまうのよね。今だって100%安全だとは言えないわ。 あなたが言いふらしたせいで流産まで知れ渡ったら、どうやって責任を取るの?」
と強い口調でぶつけます。
「……」
女性は黙りますが、最後まで謝罪することはなかったそうです。