新しいワンピースで可愛くみられたい
初デート当日、菜美さんは張り切って新しいワンピースで行こうと袖を通しましたが。
「その時たまたま便秘気味で、ウエストがぴったりしたワンピを着たら、お腹ぽっこりでなんか不恰好(ぶかっこう)だったんですよね」
ですがどうしてもその可愛いワンピースを着て行きたかった菜美さんは、常にお腹を引っ込めながらデートをすることにしました。
「せっかくYくんと一緒に居るのに、お腹を引っ込めることに気を取られて会話が上の空だったと思います。しかもそんなバカなことをしたせいか、お腹が痛くなってきてしまって。しょっぱなから大ピンチですよ」
刺すような痛みに、冷や汗が止まらなくなった菜美さんは「ごめんなさい、ちょっと腹痛で。しばらく休んだらよくなるから」と近くにあったベンチに腰掛けました。
尋常じゃない汗に「大丈夫?救急車呼んだ方がいいんじゃない?」と彼はとても心配そうでした。
「すっごく恥ずかしかったのですが、これ以上心配かけられないと思ったので正直に『ただの便秘だから大丈夫』と言いました」
気を利かせたYくん
するとYくんは直ぐにアプリでタクシーを呼び、自宅に菜美さんを連れて行くと「僕は外でブラブラしているから、落ち着いたらLINEしてね」と菜美さんを1人にしてくれたそう。
「きっとYくんがいたら、私が落ち着いてトイレに居られないと気を遣ってくれたんだなと思いました。お陰でトイレに出たり入ったり、リビングで寝そべったりしているうちにお通じがあり、お腹の痛みもおさまりました」
いきなりそんなかっこ悪い姿を晒してしまった菜美さんは、Yくんに何でも話せるようになり毎日連絡を取るように。
「3回目のデートでYくんが『もう他人とは思えないから僕と付き合って欲しい』と言ってくれて、もちろんOKしました。あの日、お腹が痛くなった時は『もう終わったな』と絶望しましたが…あれは始まりの合図だったんだなと今では思っています」
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<文・イラスト/鈴木詩子> 鈴木詩子 漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop
提供・女子SPA!
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