信州・安曇野にある「大王わさび農場」は、わさびの生産量が世界一!綺麗な水や空気がわさびの育成に欠かせませんが、こちらの農園ではすべて北アルプスの雪解け水でわさびを育てています。わさび農園ならではの風景や、わさびを使ったグルメなどを紹介します。
大王わさび農場とは
長野県安曇野市にあるわさび農園です。広さは45,000坪と世界一を誇ります。年間のわさび収穫量は、約130tにもなるそうです。どれくらいの量かというと、日本国民全員が一人10貫の握り寿司を食べられる量とのこと。
わさびは、お米のように田んぼ(わさび田)で栽培されます。
このわさび田で使用される水は、すべて北アルプスの雪解け水です。年間を通して13℃〜14℃の水温と豊富な養分がわさびの育成に適しているそうです。
大王わさび農場の歴史
明治時代半ばまで、安曇野一帯の地域は梨の産地でした。養分が多く、豊富な湧き水を利用してわさびを育てようと、大正時代に開拓が始まりました。創始者の深澤勇市氏が農民たちと自分たちの手で雑木が茂る湿地を切り開き、昭和10年に大王わさび農場が完成しました。
わさび農場の見どころ
大王神社
大王わさび農場の「大王」という名前の由来は、桓武天皇の時代に安曇野を治めていた魏石鬼八面大王(ぎしきはちめんだいおう)にちなんでいます。魏石鬼八面大王は、全国の統一をめざした中央政権の命による坂上田村麻呂の軍によって滅ぼされてしまいました。この大王を祀っている神社が農場の敷地内に建てられています。
わさび田
農園に広がるわさび田の脇には散策コースが設けられています。春は梅や桜、秋は紅葉を楽しむことができ、季節によって違った景色が見られます。
わさびは冷涼な気候を好むため、夏場は黒いおおいが掛けられて、水温の上昇を抑えています。
水車
農場の奥に流れる蓼川では、3基の水車がゆっくりと回っています。これは黒澤明監督が手掛けた映画『夢』に登場した水車です。4月から10月末までは水車の脇をクリアボートに乗って通過することができますが、2020年8月現在は新型コロナウィルス感染拡大予防のため、中止となっています。
名水百選の湧き水
大王わさび農場に湧く水は、環境省から「名水百選」に選ばれるほどの品質です。すくって飲むことができる井戸も園内に設置されています。近くには親子カエルの像があり、親ガエルに水をかけると「無事帰る」、子ガエルにかけると「若返る」と言われているそうです。