発端になる高校時代

竹内涼真の存在感が六本木に浮かび上がる!新ドラマ『六本木クラス』で見せる底力
(画像=『女子SPA!』より引用)

ということで、ほとんどオリジナル版同様に本作もストーリー展開する。発端は彼の高校生時代。もう年齢は30代目前の竹内だけれど、いやはや学ラン姿には驚いた。さすがに初々しさは感じないにしろ、パリコレモデル級のプロポーションが学ランだとさらにくっきり縁取られる。

 しかもサイボーグ感があって、これは相当内に力を秘めていることを伝えてくる。学生身分ではそうもいかないが、もしこのまま学ラン姿で夜の六本木を歩いても何の問題もない。

 転校先の高校で同級生をいじめていたのが、学食チェーントップの長屋ホールディングス会長・茂(香川照之)の息子・龍河(早乙女太一)だった。龍河を殴り校長室に呼び出され新に退学処分が下る。しかも茂から土下座をして龍河に謝れと迫られる。

 面と面を突き合わせた眼力勝負にも、怪優・香川照之に食い込む竹内。この瞬間、新と竹内が表裏一体となり、どの場面、どのシチュエーションでも必ず爪痕を残すような生き様に惚れ惚れする。曲がったことが大嫌いな彼は当然、土下座はしなかった。けれど、これがすべての発端になるのだった……。

潜在的に宿る反骨精神

竹内涼真の存在感が六本木に浮かび上がる!新ドラマ『六本木クラス』で見せる底力
(画像=『女子SPA!』より引用)

香川との眼力勝負を制した竹内だが、彼には、何か他を圧倒するような底力を感じる。それは、本作の新を筆頭に、彼が演じる役柄のせいなのだろうか?

『仮面ライダードライブ』(2014~2015年、テレビ朝日系)で、ライダー俳優としてデビューした竹内は、王道の俳優人生歩んできた。なにせあの長身を活かしたキャラ作りと個性がだいたいどの役柄にもうまく取り込まれている。『陸王』(2017年、TBS系)で熱演した陸上選手役のたくましく滲む汗は、記憶に新しく、昨年放送の『君と世界が終わる日に Season1』(2021年、日本テレビ系)でも、ワン・アンド・オンリーな存在感を発揮していた。

 謎のウイルスが蔓延し、人々がゾンビ化した世界で、孤軍奮闘する同作の主人公・響の姿をみていると、彼ひとりにだけサバイブできる底力が秘められているのがはっきりと分かる。料理が得意な彼は手料理を振る舞うことで硬直した生存者たちの心を解きほぐし、無人の避難所では弓道の腕前を活かして次々ゾンビを撃退する。絶体絶命の場面をくぐり抜ける度に、竹内自身にも潜在的に宿る反骨精神を感じたものだ。