7月8日より映画『ビリーバーズ』が公開されている。

磯村勇斗の過激な濡れ場も…カルト宗教の危険性を描く怪作『ビリーバーズ』
(画像=『女子SPA!』より引用)

© 山本直樹・小学館/「ビリーバーズ」製作委員会

 本作は、時に有害図書に指定されるほどに過激な作風の漫画家・山本直樹の同名コミックを原作とし、多くの成人向け映画を手がけてきた城定秀夫監督がメガホンを取っている。

 もちろん、直接的な性描写があり堂々とR15+指定がされている。しかしながら十分なエンタメ性があり、インモラルな設定のようで作中のモラルは真っ当という、意外な万人向けの親しみやすさもあった。主演の磯村勇斗を中心にした、さらなる魅力を記していこう。

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笑うに笑えないけど笑えるダークコメディ

磯村勇斗の過激な濡れ場も…カルト宗教の危険性を描く怪作『ビリーバーズ』
(画像=『女子SPA!』より引用)

この『ビリーバーズ』の基本的な内容は、「宗教団体に属する3人の男女が無人島で共同生活をする」というシンプルなもの。ジャンルは、あまりの事態に笑うに笑えないが、それでも笑ってしまいそうになる「ダーク(ブラック)コメディ」と言い切っていい。

 何しろ、彼らは「俗世の汚れを浄化し、安住の地を目指すための修行」という名目で無人島にいて、瞑想や見た夢の報告やテレパシーの実験など、側から見れば「あっ……この人たちカルト宗教に洗脳されていてヤバいな……」と思うばかりの日常を過ごしているのだから。世間から隔絶されたコミュニティで危険な思想が信じられている様から、口コミで話題を集めたホラー映画『ミッドサマー』(2020)を連想する人もいるだろう。

洗脳された人たちの無人島サバイバル

磯村勇斗の過激な濡れ場も…カルト宗教の危険性を描く怪作『ビリーバーズ』
(画像=『女子SPA!』より引用)

彼らは自身たちの日々の行いが正しいと信じきっているし、時には厳格すぎる態度で他のメンバーの規律に反した言動を「告発」しようとする。さらには宗教団体の本部から時おり送られてくる食糧を頼りにギリギリの生活をしていて、どう考えてもヤバいものも口にする。

 それらには良い意味での「ツッコミ不在の恐怖」も感じるし、時に思わず吹き出してしまいそうな凶悪なギャグも飛び出す。なんだかんだで3人が仲良く過ごしている様子にほっこりもしたりもするが、一方で平和を脅かす悪意へ本気の恐怖を覚える場面もある。

 そんなバラエティ豊かな「カルト宗教に洗脳された人たちの無人島サバイバル」ぶりを大いに楽しめる内容なのだ。