大人の対人・コミュニケーションに使える心理学テク【アサーション】
あなたは否定的なことを伝えたい時、どうしているでしょう?オブラートに包んで遠回し伝えますか?嫌なものは嫌ときっぱり言えちゃいますか?自分の意見(特に相手に反する意見)を伝えるのって、平気という方もいるかもしれませんが、言い方ひとつで相手の感情や、相手との今後の関係にも影響してくるので、微妙なところなんですよね。そんな時、大人のコミュニケーションに役立つ【アサーション】について解説します。
アサーションっどういう心理学?平等に話すために必要なものとは?
昨今、さまざまな企業などでも取り入れられるようになりつつあるアサーション。これは、簡単に言うと、相手との良好・平等な関係を保ちながら、対人関係にストレスなくコミュニケーションを取るための、聞く・話す❝コツ❞のようなものです。
相手も気持ちよく話せて、こちらも気持ち良く話すことができたら、実りある会話になりますよね?しかも、お互いが気持ちよく話せるのですから、スムーズに物事も進むことでしょう。
たとえばです。攻撃的な言い方しかできない人もいれば、自己主張が苦手で周りに合わせがちな人、とりあえずついて行きますというスタンスの人など、さまざまなタイプの人がいますよね。その中で、攻撃的なAさんと、自己主張が苦手なBさんが会話をしたらどういうことが起こるでしょう?想像してみてください。
きっと、その2人の会話は常に、Aさんに主導権がある状態になってしまっていることでしょう。
そうなってしまうと、Bさんは本当は思うことはあっても控え目な性格から、Aさんに従ってばかりになってしまいます。このままではBさんは、Aさんを苦手になるでしょうし、自分ばかり我慢している…とストレスを感じてしまい、この2人には良好な関係は築けなくなってしまうのではないでしょうか?AさんもBさんは自己主張をしない、わかりにくい人と認識してしまいます。
この時、アサーションをAさんもBさんも知っていたら、大人の良好な会話ができていたはずなんです。
大人が対人で使える心理学・アサーションの効果とやり方とは?
話す上でアサーションを心理学的に上手に使うポイントは、❝自分❞を主語にして話すこと。たとえば、嫌なことがある時に『あなたはなんでこうしたの?』ではなく、『私はこうしてくれた方が嬉しいかな』と伝えるとどうでしょう?
『なんであなたはこうしないの?こうすべきなのに』という言い方ではなく、『私はこうして欲しいんだけどな』と伝えてみるとどうでしょう?必然的に、相手の意志を聞こうとしている話し方ですよね。
自分の思うことを伝えつつ、相手の考えも聞こうとする話し方ができています。あなたは・あなたがという言い方をしてしまうと、相手も自分を守りたいので『なんでそんな言い方するの?』『私だってこうで、あなたがこうだから!』という不毛な口論になりかねません。
私はこう感じたという言い方であれば、相手もじゃあどうしようか?と歩み寄るコミュニケーションが自然と生まれます。
アサーションのスゴイところ!ダイバーシティにもつながる?!
話が飛躍しすぎでは?なんて思う方もいるかもしれませんが、このアサーションのコミュニケーションテクニックを知っているだけで、ダイバーシティ(多様性)にも適用できるようになってきます。女だから、男だから、LGBTQだからという先入観を捨てて、平等に話そうという対人関係の構築ができるようになってくるからです。
相手を否定せず、こちらの意見も伝える。それができれば、偏見や差別もなくなってくるのではないでしょうか?
大人の対人・コミュニケーションに使える心理学テク【バックトラッキング】
大人だからこそ、対人関係において空気を読んで疲れてしまうことってありませんか?相手が話す内容が興味がない話で、どうリアクションしたらいいのかわからない…、素っ気ないリアクションになってしまい、相手が不快そうになってしまったらどうしよう…とか。
こういうシーンで使える心理学がバックトラッキングです。会話の盛り上げ方、リアクションに困っている人が使える心理学、一体どんなものなんでしょう?
バックトラッキングってどういう心理学?会話につまるのを防ぐ?
バックトラッキングとはひと言でいうと、オウム返しです。相手の言った言葉をそのまま『〇〇なんですか~?!』という風に繰り返すだけ。リアクションに困った時に、ぜひ一度試してみてください。
このバックトラッキングのすごいところは、相手の話を聞いているという表現にもなる上に、話を盛り上げることにもつながるというところ!『へ~ふ~ん。そうなんだ』という相槌ではしらけてしまうことも、盛り上げられるってすごくないですか?
大人が対人で使える心理学・バックトラッキングの効果とやり方とは?
オウム返しといっても、ワンパターンではただの合わせ上手になってしまうので、バリエーションをつけられたらなおよし!たとえば、相手が『〇〇なんですよ~』と言った時、『〇〇なんですか?!』というだけで、相手の話に興味を示している対応になって、相手は不快になることはほぼありません。
ただ、『そうなんですか?!』という言い方ばかりではなく『そうなんですね!?』と同意を表現してみるのもアリ。
〇〇なんですか(同意・同情を現す)という言い方もあれば、〇〇なんですね?!(驚きを現す)という言い方、イントネーションによっては、こちらの興味、相手への敬意・理解なども表現できるわけです。
相手の話を終わらせた場合なんかも、『そうなんですか』を上手に言えたら、話を切り上げやすくなります。会話の内容、相手の望むであろうリアクションに合わせて、上手にバックトラッキングを使用してみてください♪