栃木と福島の県境に位置する「簑沢彼岸花公園」では、秋になると、彼岸花が咲き誇り、実った稲の金色と真っ赤な彼岸花のコントラストに、感動する景色が広がります。近くには、史実や『奥の細道』にも出てくる「白河の関跡」もあります。
彼岸花ってどんな花?
名前の由来は諸説ありますが、秋彼岸の時期に花を咲かせることから、彼岸花と名付けられたと言われています。中国揚子江周辺から伝来した花で、他にも別名が多数ありますが、曼珠沙華(まんじゅしゃげ/まんじゅしゃか)と、呼ぶのは有名ですね。
彼岸花というと赤い花のイメージが強いですが、オレンジやピンク、白い彼岸花もあります。球根には毒があることから、モグラやネズミ除けのために、田んぼのあぜ道や、墓所に植えられることが多かったようです。
簑沢(みのさわ)彼岸花公園とは?
栃木県内有数の彼岸花群生地となる簑沢彼岸花公園は、昔、源義経や弁慶一行が奥州平泉へと向かった、旧東山道(通称:義経街道)沿いにある公園で、とちぎのふるさと田園風景百選にも認定されています。また、この地域には、『奥の細道』の松尾芭蕉や西行などの足跡も多く残り、歴史ファンには、見逃せない場所でもあります。
彼岸花群生地の面積は、6,000㎡もあり、簑沢彼岸花公園として、散策路も整備され、休憩用のベンチなども設置されています。以前から、周辺のあぜ道に彼岸花は咲いていたそうですが、地域住民の皆さんの手により、毎年株分けをし、少しずつ増やされて、現在のような環境が整えられたそうです。
また、この季節に訪れる鑑賞者のため、赤い彼岸花と黄金色に輝く稲穂のコントラストを楽しんでもらおうと、わざわざ稲穂の刈取りを遅らせているそうです。地区住民の方々の愛情を感じるお話ですね。
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