賛否両論は免れないかもしれない。だが、それでも…
正直に申し上げておくと、本作の田中圭の吹き替えは賛否両論も免れないだろう。なぜなら、チャニング・テイタムの地声はとても低く、田中圭の若々しい声質とのギャップがあるからだ。そこがずっと気になると、今回の吹き替えそのものを否定的にみてしまうかもしれない。
名誉のために作品名はあげないでおくが、50代の俳優に対して30代の田中圭が声を当てており、田中圭への愛を持ってしても残念ながら肯定できない、ずっと違和感ばかりを覚えてしまった、某怪獣映画の吹き替えも過去にはあった。
その吹き替えでは田中圭自身が「つらい収録でした」などと振り返っていており、実際の本編でも田中圭は声のトーンを俳優に合わせようと努力している、いや無理をしていることが伝わってくるので、聴いているこちらもつらかった。こういう誰も幸せにならないキャスティングミスは、もう金輪際なくなってほしいと心から願う。
だが、今回の『ザ・ロストシティ』はまったく違う。チャニング・テイタムと年齢が近い田中圭が、悔しい思いをした吹き替えへのリベンジ魂を燃やしつつ、伸び伸びと自分の個性を活かし、楽しくアフレコをしているイメージが実際の本編からも伝わってきたのだ。楽しい映画の内容と同様に、推し俳優が楽しく演技をしている、こんなに嬉しいことはないではないか。
「本当の自分らしさ」というメッセージも
何より、今回は元来ダウナーかつコミカルな役も似合うチャニング・テイタムと、同様の役をキュートに演じられる田中圭の声の夢のハイブリッドなのだ。
筆者も序盤はチャニング・テイタムらしからぬ声の高さに違和感を覚えてしまったが、次第に慣れてくるだけでなく、田中圭の演技力と声の良さに改めて気づいたし、「表面上はセクシーだけど、実は不器用かつコミカルで、しかも誠実で愛おしい」というキャラクターにはマッチしていたので、「この田中圭の吹き替えでいい、いやこの吹き替え『が』いい!」と、本気で思えてきたのだ。これを見越してキャスティングをしたであろう担当者さんに、今一度お礼を申し上げたい。
もちろん、チャニング・テイタムのもともとの声とのギャップを感じてしまう時点で、これが田中圭の吹き替えのベストとは言わない。もともと特徴的な声を持つ、いや唯一無二とも言ってもいい魅力を持つ人なので、その声に合う役柄をそもそも見つけづらいとも言えるだろう。でも、だからこそ、田中圭のファンとして、俳優としての活躍はもちろん、最良の声の仕事も見つけられることも、願ってやまないのだ。
ちなみに、本作の物語には「本当の自分らしさ」という普遍的に多くの人に響く、尊いメッセージも込められている。単純明快なアクションコメディとして「あー、楽しかった!」で終われるだけでなく、明日の仕事を今よりもちょっぴり頑張れるような、ポジティブな気分になれるのが、もっとも良いところだ。ぜひ田中圭のファンは、吹き替え版で推しの声をプラスして、さらなる明日への活力を得てほしい。
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<文/ヒナタカ>
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