冒頭の不意打ちセクシーボイス

田中圭への愛が爆発した!『ザ・ロストシティ』を吹き替え版で見てほしいワケ
(画像=『女子SPA!』より引用)

そして、筆者は本作の田中圭の吹き替えを、彼への愛を置いておいても、本気で肯定したい。声の演技そのものの上手さと、田中圭自身のチャーミングさが、前述した「けっこうダメな人」的に漂う哀愁とコミカルさが同居している役柄に、大いにマッチしていたからだ。

 印象は、田中圭が『総理の夫』(2021)で演じた役にも近い。思いもよらぬ事態に翻弄されまくりだが、愛する妻のために全力で問題に立ち向かうキャラクターは、今回の『ザ・ロストシティ』でさらわれたビジネスパートナーの女性小説家、いや親友のために一生懸命になるチャニング・テイタムに重なった。

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 しかも、田中圭の「セクシーボイス」を冒頭からいきなり聞くことができるのは完全に不意打ちだった。良い意味で「あっちょっと待って心の準備できてない」と動悸が激しくなった。しかも、劇中のチャニング・テイタムは小説のカバーモデル、いわばビジュアル面での広告塔としての仕事をしているほどの「圧倒的な見た目(肉体)の美しさ」の持ち主。

 そこに田中圭のセクシーボイスが憑依したら最強に決まっているし、「田中圭のこの声に脳内変換するから、その小説を今すぐ読ませろ」となる。

本当に見たかった、聴きたかった推しの究極合体

田中圭への愛が爆発した!『ザ・ロストシティ』を吹き替え版で見てほしいワケ
(画像=『女子SPA!』より引用)

物語が進むに連れて、チャニング・テイタムの筋骨隆々の美しき肉体+田中圭のセクシーボイスという最強に思えたキャラクターの物語上での弱さや頼りなさも見えてきて、母性本能がくすぐられる。とんでもない事態に慌てふためく様には萌え萌えになれるし、ギクシャクしていた女性小説家と心を交わす瞬間も訪れる。

 なんだこれは、「本当に見たかったチャニング・テイタム」「本当に聴きたかった田中圭」の究極合体ではないか。

 なお、その他の俳優陣の吹き替えには、サンドラ・ブロックに本田貴子、ダニエル・ラドクリフに小野賢章、そしてブラッド・ピットに堀内賢雄と、いわゆるフィックス(専属吹き替え)の超豪華なベテラン声優陣が揃っている。

 ブラッド・ピットこと堀内賢雄がとんでもない戦闘スキルを発揮し、その活躍に対して嫉妬と戸惑いが入り混じり、しどろもどろになるチャニング・テイタムこと田中圭の演技も見(聴き)どころだろう。