プードルは国や犬種団体によって4サイズ、もしくは3サイズに分けられていますが、トイ・プードルはその中でもっとも小型。フランス原産とされながら、源流はドイツにあると言われます。
賢く、スポーティで、エレガントなトイ・プードルは、家庭犬として多くの人に愛され続けています。
1.トイ・プードルの特徴や性格は?
最近、犬の行動特性は遺伝と関連するものの、犬種との関連はわずか9%にすぎないという研究結果が発表されました(※1)。
つまり、犬種から行動特性を予測するのは難しく、個々に違いがあるということ。
それは育て方や環境が犬の行動に大きく関係するということでもあるでしょう。
そして、行動は気質・性格とも関係します。
もちろん、遺伝に基づいた犬種に傾向的な気質や行動もあり、トイ・プードルの場合は明るく活発でフレンドリー、かつ警戒心も併せもった犬と言われますが、その上で、どんな性格の犬になるのか、それは飼い主さんの育て方、愛犬への接し方がとても重要になるということだと思います。
トイ・プードルの歴史
プードルと深い関係にあるのがウォーター・ドッグの祖と言われるフランス原産のバルベ。
プードルの犬種名は、ドイツ語の「Pudel」または「Pudelin」(水をパシャパシャはね飛ばすという意味)に由来するとされますが、古き時代、同じタイプの犬がドイツではプードル、フランスではバルべと呼ばれていたという話があります。
このことからも、プードルはドイツで発展した後、フランスへ渡り、さらに発展したと考えられています。
トイ・プードルの容姿は?
トイ・プードルの体高は24~28cm、体重は~4kg程度。
もともとは大型であったプードルが徐々に小型化され、1900年代に主にアメリカにおいて、ミニチュア・プードルからさらに小型化されたのがトイ・プードルです。
脚がすらりとして軽やかでスマートな体形をしており、マズルは中庸の長さで、垂れた耳が可愛らしさを醸し出しています。
被毛はシングルコートで、巻き毛のカーリー・コートと縄状のコーテッド・コートの2種。
毛色は単色のブラック、ブラウン、フォーン、グレー、ホワイトが基本となり、レッド・フォーンやオレンジ・フォーン、ペール・フォーンなどの呼び名もあります。
尻尾は断耳・断尾が禁止されていない国では断尾されることもあります。
2.トイ・プードルを迎える方法
トイ・プードルを迎えるには、主にペットショップ、ブリーダー、動物保護団体・動物愛護センターなどのルートがありますが、その前に知っておきたいこともあります。
それを理解した上で、入手先を決めましょう。
「動物の愛護及び管理に関する法律」により、販売者は対象となる動物を直接見せ、飼育方法などについて購入者と対面した上で文書を用いて説明しなければなりません。
2022年6月1日より、販売される犬猫にはマイクロチップ装着が義務化されました。犬を購入後は、飼い主さんの連絡先などの情報を変更登録する必要があります。
トイ・プードルの入手先
入手先1 ペットショップでトイ・プードルを探す
ペットショップで販売される犬は、契約ブリーダー、自社(自家)繁殖の他、多くが生体市場経由で仕入れられた子犬です。
現在、動愛法の改正により、生後56日(8週齢)に満たない子犬子猫は販売できなくなっているので、子犬の生年月日は確認するようにしましょう。
子犬を選ぶ際には、できれば親犬を見ることができると理想的ですが、ペットショップでは稀と言わざるを得ません。
入手先2 ブリーダーからトイ・プードルを購入する
ブリーダーは特定の犬種にこだわりをもって繁殖しており、その犬種についての知識も豊富です。
子犬の価格については、ブリーダー登録サイトは別として、ブリーダーのホームページ上では公開していないケースが多いため、直接問い合わせる必要があります。
予約をすれば見学も可。親犬を見られる率が高い点はプラスポイントです。
なお、場合によっては子犬が産まれるまで数ヶ月待たなければならないこともあります。
入手先3 トイ・プードルの里親になる
行き場のない犬はまだまだ多くおり、そうした犬を迎えるのも一つの選択肢です。この場合、すでに成犬であることが多く、老犬である場合も珍しくありません。
入手先としては動物保護団体や各自治体の動物愛護センターなどがありますが、里親になるには一人暮らしや65歳以上の人は不可、その自治体在住者のみなどそれぞれ条件が設けられていることがあるのでよく確認してください。
犬は子犬から飼わなければならないということはありません。成犬でもしつけ直すことは可能です。何より、辛い思いをした分、人の愛情に飢えている犬も多いもの。時間をかけて気持ちが通じ合う一瞬が訪れた時の嬉しさは代えがたい宝となることでしょう。
トイ・プードルと暮らしたいと思った時、保護犬の里親になる選択肢も考えてみてはいかがでしょうか。
トイ・プードルを迎えるときの費用相場は?
現在、子犬の価格は以前に比べて大幅に高騰しています。したがって、決して安い買い物ではなく、ましてや一つの命を預かるわけですから、熟考の後、犬をお迎えください。
その結果、トイ・プードルを迎えると決めた場合、おおむね以下の初期費用がかかります(商品に関しては一般的なものから少々リッチなものまで含みます)。
トイ・プードルを迎える場合の費用の目安
項目 | 費用の目安 |
---|---|
トイ・プードルの子犬の価格 | 20万円~ |
狂犬病予防注射 | 3,000円~5,000円程度 |
注射済票 | 500円程度 |
犬の登録料 | 3,000円 |
混合ワクチン(5種~10種) | 5,000円~1万円程度(※2) |
犬用ベッド | 3,000円~8,000円程度 |
サークル・ケージ | 7,000円~3万円程度 |
食器・水飲み・フード(ドライフード1袋)類 | 4,000円~8,000円程度 |
トイレ・トイレシート類 | 3,000円~7,000円程度 |
ブラシ・コーム・爪切り類 | 3,000円~8,000円程度 |
首輪・リード類 | 4,000円~1万4,000円程度 |
おもちゃ類 | 1,000円~3,000円程度 |
合計 | 約4~10万円程度+子犬の価格 |
※価格はあくまでも目安であり、販売者や子犬の状況、動物病院、商品などの条件によって変動します。
※狂犬病予防法により、犬を手に入れてから、もしくは生後91日以上たってから30日以内に狂犬病予防注射を受けることが義務付けられています。ただし、病気や高齢など事情があって接種できない場合は、届け出をすることで免除が可能となります。接種場所は自治体による集合注射と動物病院とがあり、費用に若干の違いがあります。
※鑑札と注射済票は犬の身につけることが法的に義務づけられていますが、現在、注射済票に関しては各自治体でいろいろなデザインがあります。
3.トイ・プードルの飼育のポイント
トイ・プードルに限らず、子犬にとって大事なことの一つが社会化です。
生後3週齢~12週齢にかけての「社会化期」にある子犬は好奇心が旺盛で、いろいろな物事を吸収しながら犬として生きていく上での基礎を築いていきます。
特にこの時期には子犬にとってトラウマにならない範囲で、人や物、音、環境などいろいろなものに慣らすようにしましょう。
その後は警戒心が勝ってきますが、同じく子犬の成長には大事な時期です。引き続き社会化に努めましょう。