趣味は散歩と太極拳と麻雀。BTSと韓国ドラマとお酒が大好き。「私ね、今が人生で一番楽しいわ」と語るのは、大崎博子さん、89歳。78歳ではじめたツイッターはフォロワー数13.8万人。『89歳、ひとり暮らし。お金がなくても幸せな日々の作りかた』(宝島社)には、大崎さんの人気の秘密がギュッと詰まっています。といっても、特別なことはひとつもありません。「何気ない毎日を自由気ままに楽しんでいるおばあさんの生活や考えかた」が載っているだけ。でも、酸いも甘いも乗り越えた大崎さんの笑顔は、とても輝いているのです。

78歳でツイッターデビュー

89歳の一人暮らし女性が教える、お金がなくても幸せな日々の作りかた
(画像=『女子SPA!』より引用)

©林ひろし

 大崎さんが本格的にツイッターをはじめたのは、東日本大震災の後でした。震災に伴った原発事故について、沸き起こった不安と疑問をストレートに綴ったところ、フォロワーが増えたそうです。さらにその年の敗戦記念日に戦争体験をツイートすると、フォロワーはうなぎのぼりに。「ごく普通に生きてきたおばあさんのつぶやきを、聞いてくれる人が世界中にいる」。これはとてもうれしく、生きる活力になったといいます。

 誰かとつながっている、日々、誰かと交流がある。これって本来、よろこばしいことなのです。私達も大崎さんと一緒に、日々のしあわせを見つめなおしてみませんか。

戦争、と波乱万丈な20代~70代

 大崎さんが生まれたのは、茨城県下妻市。6人きょうだいの3番目でした。9歳の時に太平洋戦争がはじまり、日本が戦争に負けた時は12歳になっていました。「本当の戦争は悲惨そのもの」と、忘れられない体験を語ります。

 高校卒業後、18歳で上京してから社交ダンスや家庭麻雀などにハマり、結婚、出産、そして離婚。その後は様々な職に就き、70歳で仕事は辞めましたが、大崎さんの毎日に退屈という言葉はありません。手話にパソコンにツイッター、太極拳に散歩、ネットフリックスにBTSと、好奇心と行動力は衰え知らず。「ひとりで生きていく以外ないんだったらひとりでいろいろ楽しまきゃ」が大崎さんの心情。これって、老若男女関係なく、大切なことだと思うのです。