小学校6年生くらいから作り声を出している
――なるほど。ちなみに、私たちは何歳くらいから作り声を出してしまうのでしょうか?
山崎「私の調査では5歳ですでに作り声をしている女の子がいましたが、さすがにそれは稀な例で、通常は小学6年生~中学生くらいからです。思春期に入り、体に変化が起こってきて、人からどう見られるのかを気にする時期から声を作っていくことが多いです」
――それは男の子も同じでしょうか?
山崎「小学校6年生から中学校3年生くらいにかけて、男の子には変声期があります。第2次性徴期で喉頭の軟骨がぐっと大きくなり、声帯が長く厚くなります。この時期は声帯の変化が大きく、声がひっくり返ってしまったり、そもそも声を出すことが難しくなったりするので、声を作るという発想にはあまりいたらないようです」
周りを気にして無理に高い声を出す必要はない
――私もそうなのですが、あまり低い声で話すと不機嫌だと人に思われそうで、ついつい、よそ行きの高い声で話すことがあります。山崎さんはそういう女性にどのような声がけをされるのでしょう?
山崎「前回お話ししたように、自分のオーセンティック・ヴォイスで話すと、自分も他人もすごく心地のよい気分になるんです。だから、周りに合わせすぎて無理に高い声を出さないように気をつけてほしいと思います。もちろん、身長が低いなど、もともとのオーセンティック・ヴォイスが高いのであれば問題ないのですが…。無理をして発声障害や病気になる人もいるので、原因が分からない疲れや体調不良などがあったら自分がオーセンティック・ヴォイスで話しているかどうか確認していただきたいですね。そして意図的に高い声で話してしまっているのならば、高い声が求められる『空気』の根底に、ある種の女性像の押し付けがあることを自覚してほしいと思います」