――前者はファンク、後者はボサノヴァ調のアコースティック・ソングで、どちらも今までになかったタイプの曲です。共通するのはすごく夏っぽいということだと思うのですが、生まれた経緯やインスピレーション、曲に込めたメッセージなどなどを教えて下さい。
リース・ビビィ(以下R):そうだな、僕らにとってセカンド・アルバムは、かなり力強くポジティヴィティのメッセージを打ち出す作品なんだ。今現在僕ら3人がそれぞれの人生において立っている場所、自分たちのキャリアにおいて今立っている地点、そしてパンデミックに関連して起きている色んなことを踏まえると、さっきも言ったように僕らは奇妙な移行期にあったんだよね。かなり短い時間内に、まだキッズだった僕らは大人になったわけだ。今回はラッキーにも、マネージャーからもレーベルからもクリエイティヴな面でやりたいことができる自由を与えられていたから、このアルバムを制作する上で、非常にクールでユニークなチャンスを手にしていた。だったら、何らかのポジティヴィティを世界に送り出すことが僕らの役目なんじゃないかと感じたんだ。そういう意味で、「Getting Better」はアルバム全体に込めた想いを具体化していると思う。だからこそこの曲がアルバムからのファースト・シングルになって、自分たちが広めたいメッセージの全てが凝縮されているんだよ。僕らにとって人生はどんどん良くなっているし、プレッシャーもなかったし、とにかく楽しんで、自分たちのルーツに立ち返ることができた。そして、そもそも僕らがなぜ音楽活動を始めたのかという動機を確認できたんだよね。「Getting Better」はそういう曲だよ。
G:そして「Girl Who Does Both」はどういう曲かと言うと……。
B:これは曲なんだ!
G:究極的には歌詞を読めばすごく分かりやすいと思う。だから、もしよかったら聴いて欲しいんだけど……。
B:邪魔してごめんね。
G:いや、大丈夫だよ。これはつまり、自分のパートナーに心を許すことについて歌っている。町に出かけて思い切り遊ぶのもいいし、逆に、家でベッドの上でゴロゴロして過ごしてテレビを観ているのも楽しいし……。
R:僕らそれぞれのガールフレンドに宛てた、ラヴレターでもあるよね。
G:そうだね。
R:出かけて遊ぶのも、家でパジャマを着て、テレビを観ながら一緒にチルアウトするのも、どんなシチュエイションでも一緒に楽しめるガールフレンドに。
B:作った当初はすごくアップビートで、ハイペースで、ヘヴィとも言える曲だったんだ。ギター・サウンドがヘヴィでね。でも3人でアコースティック・ギターだけでプレイしていたら、歌詞が素晴らしくて、ヘヴィなギターとヘヴィなドラムがその歌詞の邪魔をしているんじゃないかと感じたんだ。で、2~3カ月前にLAに行った時にこの曲と改めて向き合って、違うプロダクションで作り変えようという話になった。そして、今まで一度もこの曲をプロデュースしたことがないつもりになって、やり直してみた結果、ポール・サイモンぽいヴァイブに辿り着いたんだよね。だからすごくクールなことだと思う。
G:それって、パンデミックの前はやったことがなかった。一旦曲を書き上げたら、それで完成って感じで。それがリリースされたり、リリースされなかったりしたんだけど、今回に関しては、自分たちに自信が生まれて、曲そのものが本当に気に入っていたからこそ、「これはいい曲だよね。自分たちが言おうとしていることを、僕らのメッセージを伝える手助けをしてくれるよね。だったらもう一度納得が行くまでやろうじゃないか」と、改めて曲を練ったんだ。自分たちがやりたかったことを100%表現した。一旦作った曲を再考して、異なる方法でアプローチし、異なるエキサイトメントを得られるようになったというのも、僕らにとってはすごく大きな学びだったよ。
――3人共ソングライターとして同じだけ貢献をしているんでしょうか?
G:そうだね。みんな仲良しだから(笑)。
(来日した時の思い出は・・? 後編に続く↓↓)