イギリス出身の3人組人気バンド、ニュー・ホープ・クラブの最新インタビューが到着。6月に待望の新曲「Getting Better」と「Girl Who Does Both」を同時リリースする彼らが、新アルバムにかける意気込みや2019年に来日した際の忘れられない思い出を語ってくれた。
――2019年11月に東京でツアーを終えたあなたたちにとって、2020年は重要な一年になるはずでしたよね。なのにデビュー・アルバム『New Hope Club』の発表から1カ月が経った時点でパンデミックが始まるという不運に見舞われました。最初のロックダウンに突入した時、どんな気分でしたか?
ジョージ・スミス(以下G):もちろんものすごく奇妙な気分だったよ。自分たちがリリースしたファースト・アルバムについては、すごく誇りに感じている。そして世界中をツアーして回ったり、アルバムに関連して色んなことをやろうと考えていた。だから、何もかもシャットアウトしてしまって、地元に帰らなければならなかったのは奇妙な気分だったな。
ブレイク・リチャードソン(以下B):分からないことが多かっただけに、怖くもあったよ。どれだけ長く続くのか見当がつかなかったからね。何しろ当初は、「まあ3カ月ってところだよね。3カ月経てばまたツアーを再開できるよ」という程度に考えていた。そもそも僕らはこれまで、活動を休んだことがないんだ。15~16歳の頃からずっとツアーをしていたから、いきなり実家に帰って家族と過ごすことになって、これまで5年間の体験がどんなことを意味するのか、色々とじっくり考える時間も得ることができた。そしてあの期間の僕らに可能だったことは、曲を書くことだけだった。曲を書かなければ、じゃあほかに何をするのかっていう話だよね。だから僕らはソングライティングに気持ちを集中させることにした。これまで体験してきたことを題材にして。そういったことって、もしずっとツアーを続けていたら、常に慌ただしい状態にあるから、まず考えなかったと思うんだ。そんなわけでバンドとして、そして友人として、兄弟愛に結ばれた僕ら3人は、普段なら話しにくいように感じることもちゃんと語り合えるようになって、絆を深める機会にもなったと思う。結果的には人間として、大人として、あの期間に成長できたんじゃないかな。そして自分たちらしさを確立したと思う。そのことが新曲からも感じ取れると思うんだ。今回の僕らは、ひたすら自分たちに正直であろうと意識していた。とにかく誠実でありたくて、そして楽しみたかった。今まではこんな風に音楽を作る時間的余裕がなかったんだよね。ほかの人を模倣するのではなくて、とにかく最高の時間を過ごして、思う存分楽しんで……。
G:中途半端なことはやらずに、毎日、毎秒、全力で音楽作りに集中しようと試みたんだ。ブレイクが言ったように、それが曲に表れている。こうして話しているだけでも、今後控えているプロジェクトや新しい音楽に、僕らはすごく興奮させられるからね。ファンのみんなも、新曲の全編を聴いてもらえた時には、僕らと同じくらい興奮してくれるよう願っているよ。だから今は僕らにとってすごくエキサイティングな時期だし、自分たちがここまで成長できたことを誇りに感じている。ニュー・ホープ・クラブの新しいステップ、新しい時代に興奮していて、この先2年くらいはすごく充実した時期になるんじゃないかな。
B:いや、2年じゃなくて、20年だね。
G:うん、20年だ。それとも200年かな?(笑)
――ふたつの新曲について伺います。6月に「Getting Better」と「Girl Who Does Both」が同時にリリースされます。2曲同時に送り出そうと思った理由は?
G:2曲を同時にリリースすることにしたのは、僕らがオールドスクールなバンドをお手本にしているからなんだよ。例えばザ・ビートルズだったり、アナログのシングル盤をリリースしていたわけだけど、A面にシングル曲が入っていて、ひっくり返すとB面にもう1曲は入っているという。僕らにとっては、それと同じことをやれるんだというアイデアそのものがエキサイティングだった。それで今回は、自分たちの影響源を反映させて、そういうアイデアに則った作品を作ってみた。僕らにとっては少し古風な試みをして、先輩にあたるアーティストたちにオマージュを捧げたような感じだね。彼らと同じようなことをやっているんだけど、現代に相応しい形にアップデートしたのさ。
B:それに僕らはずいぶん長い間新曲をリリースしていなかったから、1曲じゃなくて2曲まとめて聴いてもらおうと思ったんだ(笑)。
G:「2曲あっていいじゃん」って感じだね(笑)。