産後クラスや骨盤矯正のクラスでよく登場する「トカゲのポーズ」。

簡単と言う人もいれば、難しいと言う人もいますが、一つ確実にお伝えできることは同ポーズを気持ち良く行う秘訣は骨盤や股関節にあります。

今回は、トカゲのポーズの正しいやり方と5つの効果について詳しく解説したいと思います。

ヨガのトカゲのポーズとは?

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

トカゲのポーズは、英語で「リザードポーズ」、サンスクリット語で「ウッタンプリスタアーサナ(強く体の背面を伸ばすポーズ、の意)」と呼ばれます。

実際にこのポーズをやってみるとわかりますが、鼠径部や股関節に強い刺激やストレッチが起こり、股関節が硬い人はヨガ歴が長くても苦戦するポーズの一つです。

しかし、このポーズは徐々に深めていくことができるので、いきなり完成形を目指さず、できる範囲で毎日少しずつ取り組み、時間をかけて完成を目指すことで、できるようになった時には開脚や鳩のポーズなど、同じく股関節が鍵となるポーズ全体が上達するというおまけがついてきます。

トカゲのポーズで得られる5つの効果

(1)股関節の柔軟性の向上

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

トカゲのポーズの最大の効果は、股関節の柔軟性の向上に役立つことです。

踏み込んでいる右足は「外旋」といって、やや股関節を外に回した状態になっています。

膝をさらに外側に向けて床に降ろすほど外旋は強くなり、「鳩のポーズ」の股関節の状態と同じ形になります。

トカゲのポーズでは膝は開かず、外旋した状態であるのに内腿を使って右肩に寄せるような力強さを維持します。

つまり、ストレッチしながら力強さを同時に起こすのです。

一方、後ろに伸ばしている左足鼠蹊部にも強いストレッチが生まれています。

柔軟性を高めるためにはは、伸ばすだけでなく力強さも必要ですが、このポーズはまさに2つの要素が同時に入っているので、股関節の柔軟性を自然と高めてくれるのです。

(2)腸腰筋のストレッチ

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

腸腰筋とは、腰から股関節にかけて存在している3つの筋肉の総称で、上半身と下半身をつなぐ筋肉です。

インナーマッスルの部類に入る筋肉なのでトレーニングが難しい筋肉です。

この腸腰筋が上手に使えない人は前腿が張り出す傾向にあり、逆に腸腰筋が上手に使えるようになると美脚になるとされます。

腸腰筋がどこにあるか体感できるようになるのは容易ではありませんが、トカゲのポーズで刺激しておくだけも腸腰筋が鍛えられ、腸腰筋を上手に使える体に進化していくはずです。

(3)リンパの流れの促進

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

トカゲのポーズはインナーマッスルの腸腰筋だけでなく、表面の鼠径リンパ節がある部分にも強いストレッチと刺激の入るポーズです。

座っていることが多い現代人は、鼠蹊部のあたりが屈曲した状態で長く生活していると思いますが、トカゲのポーズでは後ろ足の鼠蹊部を強力にストレッチしてくれます。

脚の疲れを取る、むくみを取るといった鼠蹊部をリンパマッサージするのと同様な効果も得られるのです。

(4)体幹の強化

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

トカゲのポーズは、完成形に近づくと上半身をかなり床に近づける必要がありますが、そのためには腹筋と背筋などの体幹をしっかり引き締めて安定させておく必要があります。

体幹が抜け、お腹が床方向に落ちてしまうと、腰痛やオーバーストレッチの原因になるので体幹を安定させることは重要になりますし、また体幹を安定させながらトカゲのポーズを練習することが、体幹のさらなる強化に繋がります。

(5)背中側の強化

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

トカゲのポーズのサンスクリット語は「背面を強く伸ばす」という意味を持ちますが、ポーズを取ってみるとかかとから頭の天辺まで一枚の板のようにまっすぐピンと維持することで、普段意識しない背面側の筋肉のスイッチが全てオンになるような感覚が得られるはずです。

これによって猫背なども改善できますし、体の後ろ側への意識も高まります。