「娘の生理用品が買えない」父子家庭の父親から相談も
――もはや「生理の貧困」を飛び越えた支援ですよね。
ささき「生理用品はあくまでも入口っていうのが、私の信念なんです。生理用品を買える買えないを尺度にすると、そこから先の背景に繋がっていきやすいんですよ。見た目は普通で何の不自由も無さそうな子の生理用品のSOSから入って、一緒に服や靴を買いに行ったり、それこそ産婦人科に同行したり。つまり『JOY』がやっていることは、総合支援なんです」
生理用品――そういった問題を抱えている子は家庭環境が複雑なことが多かったりするのでしょうか?
ささき「いえ。最近では二人親が揃っているのに大変という話もよく聞きますよ。ひとり親の場合は、ある程度の福祉的な救済があったりするのですが、二人親だとほとんど無いので……。
あと、最近では父子家庭の父親側からの相談も増えてきています。印象的な話としては、学校での初潮教育で『あなたのお宅は父子家庭だからそういう話ができない』と言われて、どうしたらいいのかわからないという相談がありました」
――生理について男親は理解しづらいのかもしれませんが、だからこそ教えてあげるべきなのに!
ささき「基礎知識がないから、スーパーに行っても何をどれを買っていいのかがわからず、そのまま帰ってきちゃうお父さんって多いらしいですよ。そういう方には『JOY』から初潮の時に必要な生理用品を一式送っています。同時期に必要になりそうなキャミソールブラなんかも一緒に。性についての本や、どこで買ったらいいかの情報も共有しています」
――手厚いですね! お父さんたちの頼もしい味方! でも、そうなってしまうってことは男性には、生理について勉強する機会がないことの表れでもありますよね。
男子トイレにもダストボックスがあるといい
ささき「だからこそ、生理について小学校から男子も一緒に勉強すべきだと思ってるんですよ。いざ自分が親になった時に困らないように。それに今の時代は性が多様化しています。女性から男性に性別を変える方たちも、見た目が変わった瞬間に生理が終わるわけじゃない。だから、男子トイレにもダストボックスがあるといいんじゃないかと思います」
トイレ――それ、私も考えてました。あと、公衆トイレのダストボックスって小さすぎませんかね? あれ、もう少し大きなサイズにならないのでしょうか……。
ささき「そうなんですよ。最近では前立腺がんの男性もパッドを着ける人が増えてますが、使用済みのものをジップロックで持ち歩いてるらしいんです。これ、辛いですよね。ゴミ箱を置くだけなんだから、簡単にできることなんですから、行政に前向きに検討して欲しいです」
――では、最後にささきさんの今後の目標を教えてもらえますか?
ささき「今はSNSでの活動が主体ですが、啓蒙のためにも全国に足を運びたいと考えています。生理用品配布のスポットの設置や、進化している生理用品の現物を見てもらうことで、この活動ににどれほど意義があることなのか、生の声を届けて行きたいですね」
――ありがとうございました!
【一般社団法人JOY】 生理用品無料配布プロジェクト として生理用品無料配布を入口とし、「困りごとや生きづらさ」のある人達を支援・サポートする活動を行なっている。
【ささき】 一般社団法人JOY代表理事/生理用品マイスター。2017年に雑貨店開業。2021年に雑貨店にて『生理用品配布』を始めたことをきっかけに一般社団法人を設立。
<取材&文/もちづき千代子> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 もちづき千代子 フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。度を超したぽっちゃり体型がチャームポイント。Twitter:@kyan__tama 提供・女子SPA!
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