睡眠や運動、そして食生活など、日頃の生活習慣が偏ったり乱れてしまうと自律神経のバランスが崩れ、原因のわからない不調が起きてしまいます。
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自律神経を整えるためにはさまざまな方法がありますが、今回ご紹介するのは自律神経研究の第一人者である順天堂大学医学部教授の小林弘幸先生がすすめている「般若心経のなぞり書き」。
なぞり書きには、動作や呼吸を落ち着かせ、頭を空にできる性質があるといいます。なぜ、なぞり書きが自律神経によいのでしょうか? (本記事は、ムック『自律神経を整える 般若心経 なぞり書き練習帖』から抜粋・再構成したものです)
自律神経の特徴と、乱れの原因とは?
自律神経とは、内臓や代謝、体温など、無意識の状態で体の機能を調整する神経のことです。自律神経には心身を活発にする「交感神経」と心身をリラックスさせる「副交感神経」があり、生活リズムと自律神経のバランスは密接に関わっています。
2つのうち、どちらかが働きすぎたり、働かなかったりすると、頭痛や倦怠感、不安感、不眠、動悸といった不調が起こります。これらの症状が「自律神経失調症」です。
自律神経の乱れは、ストレスや加齢、不規則な生活習慣、職場や生活環境の変化などが主な原因として挙げられます。現在はスマホを肌身離さず持つ人も増えており、SNS依存が原因で自律神経が乱れることもあります。
身近な生活習慣の中に潜む、自律神経失調症のさまざまな原因。ここで大事なのは、自分の体と自律神経について知ることです。
今回、紹介したような症状を感じた方、思い当たる原因がある方はそれを改善し、少しずつでも自律神経を整えていきたいですよね。
なぞり書きが自律神経によい理由と効果
なぞり書きが自律神経によいのは、体をリラックスさせる働きがある副交感神経を刺激してくれるからです。
現代人の多くはストレスフルな日々を送っていて、交感神経ばかりが働きがち。つまり、その分副交感神経がうまく働いていないのです。
副交感神経をうまく働かせるためには、「ゆっくりとした動作」「深い呼吸」「頭を空にする」ことが大事。なぞり書きは、これらの副交感神経を働かせる要素が詰まっています。
なぞり書きを行うことで、「なんとなくだるいな…」といった不調が和らぎ、血流や胃腸の調子が良くなるので、肌や髪につやが出て、疲れを感じにくくなります。他にも仕事や勉強のパフォーマンスが向上したり、がんを抑え込む働きが期待できたり、認知症予防や更年期障害の軽減にもつながるといいます。
なぞり書きは自律神経の乱れを整え、心身ともに良い影響を与えてくれるそうです。