9. 流氷【網走市・紋別市・斜里(しゃり)町】
北海道のオホーツク沿岸に漂着する流氷。紋別市や網走市では流氷砕氷船が運航しており、知床では流氷の上を歩いたりウェットスーツを着て泳ぐ流氷ウォークなどのアクティビティが盛んです。主にオホーツク海側で観測されますが、時には釧路の方まで南下することもあります。
流氷は、海水が凍った海氷とは別物で、北海道に漂着する流氷は遠くロシアのアムール川沿岸から流れてきたものになります。流氷が漂着すると漁に出られないため地元では厄介者扱いされることもあったのですが、流氷観光が盛んになったことと、流氷が豊富な栄養を運んできて春からの漁場を豊かにしてくれていることが判ってからは、アムール川の使者と呼んで、毎年楽しみに待ち焦がれるようになりました。
例年2月中旬から3月上旬頃に見頃を迎える流氷ですが、一度漂着してもたったの一晩で姿を消してしまうこともあります。漂着した氷が完全に岸に定着する定着氷になるまでは、海面を漂いながら近づいたり遠のいたりを繰り返します。一日として同じ表情を見せない流氷は、幻想的な冬の風物詩です。
10. 美幌(びほろ)峠【美幌町】
標高525mの美幌峠展望台の眼下には、屈斜路湖や硫黄山、遠くには知床連山などの大パノラマが広がっており、その美しい景観は「天下の絶景」と謳われています。
春や秋には雲海が、秋には紅葉が、冬には屈斜路湖に発生する朝霧が見えるなど、季節ごとに異なる表情を見せてくれるので、何度でも訪れたいスポットです。また、道内では初日の出スポットとしても人気があります。
峠の頂上にある美幌峠レストハウスは道の駅になっているので、ドライブの休憩にもピッタリのスポットです。
11. オシンコシンの滝【斜里(しゃり)町】
落差50m・滝幅30mという知床一の瀑布。日本の滝百選であるとともに知床八景にも認定されている迫力ある滝です。真正面から見ると途中で2つに分岐していることから「双美の滝」とも言われています。
滝の美しさはもちろんのこと、滝の上にある展望台からの眺めも絶景です。オホーツク海や知床連山を見渡せるほか、冬には接岸した流氷がオホーツク海を埋め尽くす白い大海原を眺めることができます。
12. 知床五湖【斜里(しゃり)町】
知床連山の麓に佇む5つの神秘的な湖。世界自然遺産に登録されたとおり、手つかずの森には野生の動植物がたくさん生息しており、自然の息づかいが感じられるスポットです。
五湖の観賞には3つのルートが用意されています。一湖の湖畔までを高架木道で往復する1.6kmのルート、一湖を地上遊歩道と高架木道でぐるっと1周する1.6kmのルート、さらに五湖を周りながら高架木道を通って戻ってくる3kmのルートがあります。
高架木道はヒグマ対策がなされており、ベビーカーや車椅子でも回れるバリアフリーになっています。ヒグマの活動時期に合わせて利用可能なルートが変わりますので、散策の手続きやレクチャーを受ける「知床五湖フィールドハウス」で確認してください。
13. 神の子池【清里町】
神さまからの贈り物と称されている神の子(かみのこ)池。世界第2位の透明度を誇る摩周湖(神の湖)の伏流水が溜まってできたと言われています。池の周囲220m・水深5mの小さな池ですが、伏流水は12,000t/日も湧き出ており、水底まではっきりと見ることができます。
水質を守るため池の外周には木道が配されています。木道の上からでも、水底に沈んでいる倒木や、日本では北海道にしか生息していないオショロコマが泳ぐ姿を見ることができます。水温が年間を通して8℃前後と低いため、水の中でも倒木が腐ることなく化石のように悠久の時を超えているのだそうです。
神の子池へ向かう山道入口は看板が出ているのでわかりやすいと思いますが、かなり凸凹のある約2kmほどの砂利道は驚くほどの悪路です!それだけ人里離れた山奥にあるからこそ神秘的な青さをたたえているとも言えますが、熊の出没など万一に備えて暗くなる前には観賞を終えることをおすすめします。冬期は除雪されませんので雪解けを待ってくださいね。